ベトナムの作家マーバンカン(Ma Van Khang)さんは文学芸術分野での第4回のホーチミン賞を受賞する作家、詩人、作曲家7人の中の一人です。
作家マーバンカン
ホーチミン賞はベトナム政府からの最高の賞です。マーバンカンさんは国内の現代文学に新風を吹き込んでいる作家と評されています。彼はドイモイ刷新期に「夏の雨」、「畑の葉が散る季節」、「人生の孤独を味わう」という数多くの作品を生み出し、国内で大きな反響を呼んでいます。
マーバンカンさんはベトナム少数民族の代表的な作家ですが、彼の執筆した作品の大多数は都会の生活ぶりを描いたものです。1982年に「夏の雨」という小説が発売され、ベストセラーの中で、最も人気のある作品となりました。
当時、ベトナム文学研究院はこの小説に関する座談会を行い、数多くの文学理論家は社会の消極的な問題に深く触れた小説を批判しました。しかし、すでに30年が過ぎ去りましたが「夏の雨」という小説はベトナムの社会悪の事実を描いた文学作品として今なお愛読されています。
文学理論家であるリュウカイントー(Luu Khanh Tho)さんは次のように語りました
(テープ)Tho
「私はマーバンカンさんの執筆した「愛を乱す人」という短編小説がとても好きです。彼は現代文学の世界に新風を与えている作家であり、国内文学の刷新に大きく寄与している作家でもあります。「夏の雨」という小説は発売直後、世論の批判を浴びましたが時と共に、社会、文学分野に対する新しい観点を証明することになりました」
ドイモイ期の初期に、マーバンカンさんは一連の小説を執筆し、その中で、「畑に葉が散る季節」という作品がありました。カンさん原作オリジナル小説がドラマ化され、国内で大きな反響を呼んでいます。これについて、マーバンカンさんは次のように語りました
(テープ)
「人は生活を美しくするため、生きています。その上、人は闘争するために生きています。作家である私は不幸な人の美しさを探しています。彼らは多くの困難、痛み、悩みを乗り越えて、正しい人々になってゆきました。私の作品は人間の基本的な美しさを描いたものです」
このように語ったマーバンカンさんは今、76歳になりました。毎日、彼はたくさんの薬を飲んでいますが小説の創作事業に力を注いでいます。最近、「闇の影」と「船着場」という2冊の小説が発売されました。文学評論家のライグェンアン(Lai Nguyen An)さんは次のように語りました
「数多くの先輩作家はペンを閉じましたがマバンカンさんは引き続き小説に筆を走らせています。彼の作品の大多数は高く評されています」
この20年、マバンカンさんは200もの短編小説と15の小説を創作してきました。彼はベトナム文学の流れにスムーズに溶け込んでおり、新しい作品に芽を育んでいます。