(VOVWORLD) - 専門家によりますと、今年上半期、メコンデルタ地域の生産経営活動や経済状況は好転を見せてきました。同地域のほとんどの企業が効果的な事業を行い、GDP=国内総生産の伸び率はおよそ9%に達し、国内各地の平均成長率を上回っています。
計画投資省の統計によりますと、今年上半期に、メコンデルタ地域で新規設立企業の数は4600社で、昨年同期と比べ8.7%増、登録資本は同じく45.8%増となっています。
一方、同地域の13の省・市の中の7の省・市は新たに47件の外国直接投資プロジェクトを誘致し、投資総額は8億ドルを突破しました。こうした成果を見ると、メコンデルタ地域は国内外の投資家にとって魅力的な投資先であることが分かります。また、農業、加工・製造産業、観光は投資家の注目を集めている分野となっています。
VCCI=ベトナム商工会議所カントー支部の代表は今後、CPTPP=包括的かつ先進的な環太平洋経済連携協定の発効により、メコンデルタ地域をはじめ、ベトナムの企業は輸出市場の拡大や新たな投資経営チャンスの入手が図られるであろうとしています。
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「今後、輸出市場の高い基準を満たすため、ハイテク・アグリカルチャーに投資誘致を推進し、農業分野の生産性を向上させなければなりません。CPTPP加盟諸国だけでなく、EU=欧州連合やアメリカの市場も含まれています。CPTPPは農業分野への投資誘致に役立ち、持続可能な農業の発展に原動力をつけると期待しています。」
メコンデルタ地域の中心に位置するカントー市はロジスティックス、農業、情報技術の発展に力を入れています。地域の各地方、研究院、大学と主体的に連携して、投資誘致や質の高い人材の育成を進めることは同市、及びメコンデルタ全体の経済発展の原動力になるとしています。
カントー市人民委員会のボ・タイン・トン委員長によりますと、現在、同市は投資経営環境の改善、貿易振興、企業への有利な条件づくり、輸出市場の拡大、国内での消費の促進にあらゆる手を尽くしています。
また、メコンデルタ地域の各地方と協力して国内外の企業にコメや水産物、果物をピーアールし、地元の経済社会発展、雇用創出の促進、農民の収入の向上を目指しています。先ごろ、行なわれたカントー市の投資振興会議でグエン・スアン・フック首相は同市の行政改革、投資環境の改善を高く評価しました。
(テープ) O Phuc
「投資家が進出しなければ、カントー市は今日のような成果を収めることはできませんでした。投資家、企業、経営環境は非常に重要な役割を果たしています。今後、投資家らは地方行政府と協力し、作成したビジョンを実現する必要があります。」
他方、メコンデルタ地域にあるティエンザン省は有利な地理的条件に恵まれ、東西経済回廊にも位置しています。今年上半期、同省は7兆ドン、約329億円相当の18件の投資プロジェクトを誘致し、その中の7件は外資プロジェクトです。
現在、ティエンザン省は収めてきた成果を発揮して、開放的な投資環境の整備、マーケティングの促進、質と競争力が高い製品を生産するための先進的な技術適用プロジェクトへの投資誘致に力を入れています。ティエンザン省人民委員会のチャン・タイン・ドク副委員長は次のように語りました。
(テープ) O Duc
「第3四半期に、わが人民委員会は2018年~2020年期の行政改革推進計画を立案します。その中で強みと弱点を指摘した上で、解決策を提出し、行政改革を計画通りに行なうことが狙いです。また、行政手続きの簡素化、インターネットによる公共サービスの提供を進めていく方針です。」
一方、グエン・スアン・フック首相はティエンザン省が収めてきた成果を高く評価し、同省はメコンデルタ地域の経済発展で牽引役としての役割を果たすであろうとの見解を示しました。
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「ティエンザン省に対し、経済発展を5つの柱によって進めるよう求めます。それらはハイテク・アグリカルチャーの活用、高品質のクリーン果物の栽培、農産物加工技術、生態系観察ツアーの開発、そして、ソアイラップ深水港でのロジスティックスハブの建設です。」
投資誘致や強み・潜在力の活用に取り組んでいるメコンデルタ地域の各省・市の努力は同地域に新風を吹き、国内外の投資家を引き付け、持続可能な経済発展に弾みをつけることでしょう。