ベトナム北部山岳地帯バクザン省の農家ではライチの収穫シーズンに入っています。同省の行政府は農家の製品の消費と収入の確保を目指し、ライチ販促や、貿易振興活動などを進めており、その目標はライチの輸出を促進させるということです。
バクザン省ルックガン県のライチ(写真:Baomoi)
去る6月23日、バクザン省から2トンのライチが空路でオーストラリアに運ばれ、そして、その翌日、オーストラリアの各スーパーマーケットで販売され始めました。オーストラリアだけでなく、他の国々も輸出される予定です。
現在、バクザン省のライチ栽培面積は3万ヘクタールで、年間生産量は13万トンですが、その中の1000トンがアメリカや、EU=欧州連合などに輸出される見通しです。バクザン省の多くの地方でもライチ栽培を行っていますが、中でも、ルックガン県のライチが最も高い知名度です。現在、同県の農民は、158ヘクタールで、グローバルギャップという農業生産工程管理基準に従って、ライチを栽培しています。
同県農業課のチュ・バン・バオ課長は、「グローバルギャップの導入により、ルックガン県のライチの質が高まり、輸出量が確保されている」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「2016年、我が県のライチ栽培面積は1万6000ヘクタールで、その生産量は7万ないし7万5000トンに達する見込みです。農業専門家を招いて、農民を対象とするライチ生産に関する訓練コースを行っています。例えば、害虫防止対策や、実の質的向上のための方法などについて手解きしています。したがって、ライチの質は高まっています。」
ライチ栽培に携わる農民を支援するため、バクザン省行政府は、3000箇所のライチ購入場所を設置しています。また、ライチを購入しようとする外国企業に行政手続の面で有利な条件を作り出しました。これらの措置により、今年、同省のライチの40%が輸出される見通しであるということです。
バクザン省人民委員会のズオン・バン・タイ副委員長は、「ライチの生産量と質の向上と共に、ライチの持続可能な消費へ向けて、我が省は商工省と連携して海外での販促活動を進めている」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「今後も貿易振興を促進していく方針です。この数年、ライチ消費状況から経験を引き出して、1箇所の市場に集中する依存を避けます。輸出だけではなく、国内市場での販売も進めます。バクザン省人民委員会は、ハノイや、ラオカイ省、ランソン省などの地方と協力して中国へのライチ輸出を強化しています。一方、ホーチミン市などと連携して、南部の各地方への販売も促進しています。」
輸出強化と国内市場での販促の両立というバクザン省のやり方は正しいものと評価されています。これは、農家の収入の向上だけでなく、バクザン省の経済社会発展事業にも貢献すると期待されています。