ベトナムとユーラシア経済連合とのFTA=自由貿易協定が締結された直後、ホーチミン市の多くの企業がロシアへの投資を進めはじめました。ロシアは有望な投資先と見られてきましたが、このFTAにより、今後、ホーチミン市の企業からロシアへの投資が大きく増加すると予測されています。
サン国家主席がHCM市とモスクワの協力合意書の調印式に立ち会う(写真:VGP)
来る9月、モスクワで、ホーチミン市をはじめベトナム企業の軽工業団地の建設が起工されます。この工業団地で、ベトナム企業は繊維製品や、木工製品、水産物、通信、電子部品、建設といった6つの分野に投資する見通しです。
この10年間、ロシアで活動中の企業フンブオン社のズオン・ゴック・ミン社長は「ロシア市場の消費力が高いことから、この工業団地について聞いてから、ロジスティクスへの投資をすぐ登録した」と明らかにしました。
また、ミン社長は「ベトナム企業と連携して、水産物加工も行う」とし、次のように語りました。
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「この工業団地を通じて、我が社は、倉庫と保税倉庫を持ち、ロシアに投資するベトナム企業にサービスを提供できるようになります。2016年、1万5000トン規模の冷蔵倉庫と5万平方メートルの一般倉庫が建設できると期待しています。」
一方、ベトナム繊維製品総公社のフアム・フー・クオン副社長は「現在、在ロシアベトナム人労働者の数は4万人で、この工業団地はこれらの労働者の雇用創出に寄与する」とし、次のように語りました。
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「ベトナム繊維製品企業は、この工業団地で貿易と工場建設を行うことを公約しています。1万人の労働者に雇用を創出する見通しです。第1の目標はロシアにベトナム製品を輸出することです。第2は工業団地内で、工場や、労働者向けの住宅などを建設することです。」
さらに、この工業団地で、手工芸品や、木工製品生産も行われます。木工製品企業チュオンタイン社のボ・チュオン・タイン会長は次のように明らかにしています。
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「現在、ロシアで、生産・経営活動を行っています。ロシアでは、木材が豊富です。ロシアで工場を建設したいので、この工業団地に期待しています。」
この工業団地は、モスクワの中心地から50キロぐらい離れたことろにあり、交通面でも便利です。これまで、21社のベトナム企業が投資を登録しました。こうした中、ホーチミン市当局はこの工業団地への投資をさらに奨励する方針を打ち出しています。同市人民委員会のグエン・ティ・ホン副委員長は次のように述べています。
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「私たちは、商工局に対し、ロシアに投資している企業、及び、投資しようとする企業のリストを作成するよう支持しました。これらの企業の願望や、意見などを基礎に、ロシアへの投資を促進するための措置をとります。」
モスクワ軽工業団地の建設は、ロシアへの投資を促進するためのベトナム企業の最初の措置と見られています。これは両国間の投資・貿易関係に新しい展望をもたらすものとされています。また、ベトナムと欧州諸国との経済関係の強化にも役立つと期待されています。