ベトナム商工省によりますと、今年もコメの輸出は順調で、コメの輸出量と輸出額の両方とも新記録を作りました。特に、稲作に携わる農家がかつてないほどの収益を得ているということです。また、同省は「今年700万トンのコメを輸出する」という目標が達成されるとしています。
統計によりますと、今年1月から11月にベトナム企業は670万トンのコメを輸出しました。12月にはさらに30万トンを輸出します。また、来年の第1四半期までの輸出契約も締結されました。
ブ・フィ・ホアン商工相は「コメ輸出の好調はコメの豊作、コメ販売促進活動の効果、世界市場での変動などによるものだ」とした上で、「農家の収益がまだ低いこと、ほかの国のコメ価格がベトナムよりも安いこと、コメ生産農家が小規模なものであることなど問題も山積しており、今後直ちに解決すべきだ」とも指摘しました。これに関し、農業・農村開発省栽培局のグエン・ゴク・チー局長は次のように語りました (テープTRI)
「全面的にみれば、わが国の農業生産は大規模とはいえません。コメ栽培・生産も例外ではありません。一人当たりのコメ耕作面積はまだ少ないのは事実です」
チー局長はこのように語りました
さらに、エコノミストらは「ベトナムコメの価値を確保するためには、世界市場における『ベトナム米』という商号の知名度を高めるほか、コメ生産・輸出管理方法の刷新、倉庫の拡張、新保存技術の導入、市場の変動を予測する能力の向上、市場の変動への対応能力向上なども欠かせない」と指摘しています。メコンデルタコメ研究院のレー・バン・バィン院長は次のような見方を示しています(テープBANH)
「現在は企業が生産農家からコメを購入して輸出するという方式ですが、農民のコメ保存技術は良くないので、安い価格で販売しなければならないこともあります。農民の保存技術に関する問題を解決するためには、政府が農民のコメを買い上げ保存して輸出企業に販売する方法は有効だと思います。これは農民に安心感をもたらす措置です」
バィン院長はこのように語りました
一方、「コメ生産の計画化、基準化、国際基準の導入が重要だ」との意見もあります。これに関し、農学者のヴォー・トン・スアン博士は次のように提案しました(テープXUAN)
「最初に、栽培地域の企画を立案します。その後、稲作技術を訓練します。特に、輸出用のコメの生産技術に集中する必要があります。その生産活動はグローバルギャップという国際基準とベトギャップという国内基準に基づいて行わなければなりません。これにより、ベトナム米の質が向上されます」
スアン博士はこのように語りました。
この約10年間、ベトナムはコメ輸出で世界第2位を占めてきました。今後も企業、コメ農家、政府の努力によりその地位が維持できるものと期待されています。