今年上半期にベトナム経済は改善の兆を見せています。決議2号をはじめとする政府の各決議に出された企業の困難解決策や、経営・生産補助、市場刺激策、不良債務と在庫問題の処理措置などは効果をあげており、マクロ経済の安定化や、持続的な発展の促進などに寄与していると評されています。
統計総局の報告によりますと、同期に、GDP=国内総生産の伸び率は4・9%に達していますが、CPI=消費者物価指数は2・4%にとどまり、この10年間の最低水準となっています。
価格統計局のグエン・ドゥク・タン(Nguyen Duc Thang)局長は次のように明らかにしています。
(テープ)
「今年1月から6月までのCPIについてですが、1月と2月は高いものの、3月と4月に低下しました。6月には0・05%増加しましたが、低い水準です。これはインフレ抑制措置が効果をあげていることを示す積極的な兆です。また、各省庁や地方、機関が政府が出した措置を徹底的に実施していることも示しています」
今年上半期に、各部門の状況も一段と改善されています。経済の3本柱といわれる農・林・水産業や、工業、サービス業はいずれも前年より成長しています。製造業をはじめ、工業は回復し、積極的な変貌を見せています。サービス業もかなり高い伸び率を維持しています。各企業の生産、経営状況も明るい兆しです。特に、輸出は引き続き大きく増加しています。
統計によりますと、1月から6月の輸出累計額は620億ドルを超え、前年同期と比べ16%増となっています。一方、ODA=政府開発援助とFDI=外国直接投資の調達率も増えています。こうした中、エコノミストらは「国の経済状況が改善されている」と評価しながらも、「これらの結果は最初の一歩に過ぎない。今後も様々な問題を解決しなければならない」としてしています。
中央経済管理研究院のボ・チ・タィン(Vo Tri Thanh)副院長は「ベトナム経済はまだ完全に回復していない」との見方を示し、次のように語りました。
(テープ)
「マクロ経済の安定の維持を注意深く行わなければなりません。というのは、マクロ経済の安定性は時間の価値や、市場の信頼性、国内外の投資家の信頼から作られる価値だからです。また、マクロ経済の安定の維持をインフレの抑制、国家予算の実力、公的債務、金融システムの安定などと結びつける必要があります」
政府の6月月例会議に、グエン・タン・ズン首相は各地方に対し、複数の部門の低い成長速度や、低い購買力などの問題をできるだけ早く解決するよう要請した上で、「年末まで、政府は市場補助や、企業支援などのために新しい措置を取る」と明らかにしました。
各部門や各企業の努力と政府の補助により、今後もベトナム経済が引き続き改善されていくと期待されています。