今年上半期には、ベトナム経済は多くの困難に直面したにもかかわらず、好転しています。インフレ抑制やマクロ経済の安定化、社会福祉の確保を目指す政府の措置が効果をあげていることなどから、年末まで、その楽観的な見通しが続くと予想されています。
統計総局によりますと、今年1月から6月までのGDP=国内総生産の伸び率は4・38%に達しています。これはまだ低い水準にありますが、政府の予測を上回りました。第2四半期から経済の明るい兆しが出ました。その内、輸出、FDI=外国直接投資、工業、建設業などの分野は大きく発展しています。具体的には、今年上半期における輸出累計額が前年同期比22%増の540億ドルに、工業生産高の伸び率が4.5%に達しているということです。
特に、同期にベトナムは約47億6000万ドル相当のFDIプロジェクト452件を誘致しました。そのほか、CPI=消費者物価指数も減速する傾向にあります。エコノミストらによりますと、これはデフレではなく、積極的な兆しだとしています。これに関し、統計総局のドー・トゥク(Do Thuc)総局長は次のような分析を出しています。
(テープ)
「CPIが連続的に激減することはデフレにつながりますが、ベトナムのCPIが低下したのは6月だけでした。以前、CPIは高い水準にありましたので、低下することはいい兆しだといえます。今後も、マクロ経済安定化プロセスを注意深く促進する必要があります」
トゥク総局長はこのように語りました。
一方、今年上半期における経済社会状況について、グエン・タン・ズン首相は「経済社会状況は正しい方向に発展している」との見方を示し、年末までの任務としては、国営企業の活動の効果向上に力を入れることをあげました。ズン首相は次のように語りました。
(テープ)
「閣僚らに対し、国営企業の再構築作業を検討するよう求めます。国営企業の規模、経営範囲、生産管理などを点検しなければなりません。そのほか、各機関、企業の組織、人事面も健全化させる必要があります。政府は各企業の指導者らの権限、責任などを明確にします」
ズン首相はこのように語りました。
エコノミストらもズン首相に賛同しており、「政府の正しい政策や、企業と国民の努力などにより、『インフレを7ないし8%に抑制する』や『GDPを5・2ないし5・6%にする』などの目標が達成できる」と楽観視しています。