「ベトナム人は率先してベトナム製品を使おう」運動を実施してから、この5年間、国内産の繊維製品は消費者の愛用を博しています。こうした事情を踏まえ、紡績縫製企業は生産の強化や配分ネットワークの拡大に力を入れ、シェアの拡大を狙っています。
今年末に、TPP=環太平洋経済連携協定が締結される見通しですが、ベトナムの繊維製品の輸出に多くのチャンスをもたらすとみられます。現在、ベトナムの紡績縫製部門は輸出市場の開拓をする傍ら、国内市場でのシェアの拡大にも取り組んでいます。今年上半期、ベトナム紡績縫製グループ ビナテックスの各企業の収益は11兆ドン約550億円に達し、昨年同期と比べ、およそ10%増となりました。これにより、今年全体は22兆ドン、約1100億円に達し、昨年比6/3%増になると見込まれています。同グループのグエン・ティエン・チュオン副社長は「国内市場の開発は重要な戦略であり続ける」と明らかにし、次のように語りました。
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「この10年間、ベトナムの紡績縫製グループは国内市場に特別な関心を寄せています。国内市場でのシェアを拡大することや消費者に対し、ベトナム製、中でも当社の商品を愛用するよう働きかける為には時間がかかることをよく認識しています。ですから、この2、3年、国内市場は困難な状況に陥り、需要も低迷していますが、当社の商店を維持しています。この商店チェンは当社の国内の配分ネットワークを支えています。」
現在、ベトナム紡績縫製グループは傘下の各企業と力を合わせ、国内市場の拡大に取り組んでいます。全国各地で4千ヶ所あまりの代理店、商店などが設置され、6万種類の製品が販売されています。一方、消費者の高まっている需要に応えるため、同グループの傘下の各企業は新しいブランドの開発、ピーアールに投資を強化してきた他、いくつかの高級ブランドを出荷しています。国内産の繊維製品の質が高く評されています。第10縫製総公社のグエン・ティ・タイン・フエン社長は次のように語りました。
(テープ)
「消費者へのサービスを中核に位置づけています。国内向けの製品の生産ラインに対する投資額は輸出用製品の生産ラインの1・5倍となっています。また、国民のために最良の製品をつくる方針です。こうして、はじめて国内の消費者の手元へ製品を届けるのです。」
5年間にわたり、「ベトナム人は率先してベトナム製品を使おう」運動を実施してきたことで、紡績縫製企業や消費者、供給者のやり方と考え方が変わってきました。ハノイ市、ロンビエン区に住むカオ・ハイ・フオンさんは次のように話しました。
(テープ)
「長年、ベトティエン縫製会社のシャツを愛用しています。ベトナムの第10縫製総公社や、ベトティエン縫製会社、ニャベ縫製会社などのブランド品は質が高く、デザインも良いと思います。今後、多くの消費者が買えるよう、これらの製品の値段が下がるよう希望します。」
今後、ベトナム紡績縫製グループの各企業は国内市場を重視し、消費者の嗜好に応えられるように、製品の開発を進めると主張しています。また、農村部や工業団地、輸出品加工区で移動販売を行い、製品をピーアールしてゆく計画です。