エコノミストらによりますと、2017年、ベトナムは農業の発展速度の維持や、食品安全保障の確保などのためにさらに努力しなければなりません。特に、気候変動や、自然災害の影響が深刻化している背景の中で、これは重い任務としています。
昨年、ベトナムは北部地域での大寒波や、南部メコンデルタでの塩害と大洪水による多大な被害を受けました。それに加えて、中部で、大規模な工業汚染による公害の発生、多大な損失を引き起こしました。しかし、農業は、国の経済の重要な柱の1つとしての役割を果たし、その成長率が1・36%に、そして、輸出額が過去最高となった321億ドルに達しました。
特に、野菜や、果物、水産物の成長率と輸出額は高い水準にあります。洪水や、台風、干ばつ、塩害による被害の深刻さが増え、気候変動の範囲が広がっている背景の中で、農業部門は具体的な対応策をとり、持続可能な発展を目指しています。ベトナム農業農村開発研究院のダン・キム・ソン院長は次のように語りました。
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「対応策に盛り込まれる措置は中長期的な計画であるだけではなく、年間の計画でもあります。これは、政府のプログラムとして実施されます。また、農家や、各地方行政、企業にも貫徹されます。これは気候変動に対する人々の認識向上を目指すものです。」
2016年、自然災害により、農業部門は多大な被害を受け、上半期のその成長率はマイナス0・18%でした。エコノミストらは、今年も自然災害が多発し、天気予報能力の向上は差し迫った問題になると指摘しています。水利総局のチャン・クアン・ホアイ副総局長は次のような見方を示しています。
(テープ)
「まず、対応可能な体制を整える必要があります。予報作業の能力向上に力を入れる必要があります。また、住民と各地方行政府は主導的な役割を果たさなければなりません。自然災害が頻発する各地方が対応策を主体的にとることは重要です。一方、長期的には、自然災害を分類することも重要です。深刻な自然災害を想定し、その対応シナリオを作らなければなりません。」
自然災害対応とともに、今年、農業部門は再構築事業と新農村づくり運動を進めていく方針です。グエン・スアン・クオン農業農村開発大臣は、「農業生産の成長維持と農業再構築を進めるために、国家レベルの製品や、輸出額が10億ドルを越える10の農産物、各地方特有の農産物の生産を強化する」と明らかにしました。
また、「気候変動対応をもとにする農業生産構造の転換を優先課題として見做す」とし、次のように語りました。
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「各地方は、地元で頻発する自然災害の影響を最小限にするために、自らの計画において、具体的な対象、具体的な規模、具体的な技術を選ぶ必要があります。農業生産は気候変動に適応し、気候変動のデメリットを持続可能な発展のためのメリットにしなければなりません。」
多くの困難に直面している背景の中で、農業部門は農・林・水産物の成長率が2・5%ないし2・8%に達するために取り組むという目標を掲げています。これは2016~2020年期における国の経済社会発展計画の実施に寄与するものと見られます。