ベトナムは熱帯国であり、風と太陽光に恵まれ、海岸線は3200キロに及んでいます。これらは風力や太陽エネルギー、バイオエネルギーの開発に際し有利な条件となります。
ベトナムは気候変動により深刻な影響を受けている国の1つであることから再生可能エネルギーの活用は気候変動の抑制に寄与するとみられます。
ベトナムでは生産と生活用のエネルギーへの需要が高まる一方、主要なエネルギー源である石炭などの天然資源には限りがあります。こうした背景の中で再生可能エネルギーの開発、中でも太陽光や風力など資源が枯渇しないエネルギーによる発電は実施可能な方針です。これはまた、世界に普及しているクリーンエネルギー開発の方向でもあります。
先ごろ、グエン・タン・ズン首相は2011年から2020年までの電力開発総合計画、および2030年までのビジョンを承認しました。一方、政府は風力発電に対する投資優遇政策を公布し、その中で各地方での風力発電の開発を奨励しています。
これはベトナムでの再生エネルギーの開発に法的裏づけとなるとしています。ダン・フン・ボ教授は次のように語りました。
(テープ)
「現在、再生エネルギーはエネルギー問題の解決策の1つと見做され、国際共同体の支持を得ています。というのはこれはクリーンエネルギーであり、環境に害を加えないグリーンエネルギーでもあるからです。このようなエネルギーは世界中に広く使用されており、環境との調和をよく取り、クリーン・エネルギーを利用するといったグリーン建築につながっています。ベトナムではスーパーのビッグCが太陽エネルギー利用設備を導入しました。」
自然エネルギーの中には太陽光が豊富で、あまり変化のないエネルギー源です。熱帯地域に位置し、晴れの日が多いというベトナムの自然条件はこのエネルギー源の活用に最適だとみています。太陽エネルギーは低コストで、日常生活に広く応用することができるだけでなく、建設や工業生産にも有望なエネルギー源であると評されています。
この数年、多くの企業は家庭用の太陽エネルギー利用設備の生産に先進技術を導入し、消費者の好評を得ています。その中にソンハ株式会社があります。同社のダム・クァン・フン副社長は次のように語りました。
(テープ)
「今後、家庭用の太陽エネルギー利用設備のほか、学校、病院、軍事施設、レストラン、ホテル、また、水産物加工施設用の太陽エネルギー利用設備も開発します。政府は企業に対し、太陽光、太陽熱によるクリーンエネルギーの開発を援助するよう希望します。」
東部海域、いわゆる南シナ海に面して、大小の島嶼が多く恵まれているベトナムは太陽エネルギーのほかに、自然エネルギーの中で最も実用性が高い風力エネルギーの開発も可能となります。5月29日、南部バクリエウ省の風力発電所は稼動を開始し、年間発生電力量は3億2千万キロワット時と見積もられています。
国家の適切な投資により、近い将来、太陽光や風力発電は効果的に進められると期待されています。