ベトナム政府の19号の決定を実現して、各省庁と地方は経営環境の改善や行政改革を進めています。これは、企業の国際社会への参入と発展に有利な条件を作り出すことが狙いです。ベトナムは今後、ASEANの経営環境と国際競争力ランキングで第4位に立つという目標を掲げています。
昨年3月、ベトナム政府は2014年~2015年期の経営環境の改善、行政改革の促進、国家行政機関の責任感の向上、公開性、明確性の確保に関する決定を公布しました。この決定が実施されてから1年経った現在、ベトナムの経営環境はかなり改善されています。
事業活動の開始に関しては、これまで31日かかった10の手続きが6日間で5の手続きに簡素化されました。また、これまで、税金や社会保険料を納めるためには年平均872時間かかりましたが、現在は400時間に短縮されるようになりました。製品の通関手続きも簡素化され、検査が義務付けられる品目が削減されました。
中央経済管理研究院院長のグエン・ディン・クン院長は次のように語りました。
(テープ) Cung
「政府が各省庁や各レベルの地方行政当局までは投資経営環境の改善を進める決意を示しました。政府、とりわけ首相は経営環境の改善に深い関心を寄せ、関連措置の展開を適切に指導しています。また、私たちはこれらの措置を効果的に実施し、目覚しい成果を収めています。」
世界銀行の東アジア太平洋地域・貿易競争担当者のウェンディー・ウェルネー女史はベトナムの経営環境の改善や国家競争力の向上で収めた成果を高く評価した際、「ベトナムは関税分野などで正しい改革方向を歩んでいる。納税者は自分の義務を容易に果たすことができるようになった」との見解を述べるとともに、この好転は世界銀行が発表する報告書「ビジネス環境の現状2016」に盛り込まれると明らかにしました。
今後、国家競争力を向上させるため、ベトナムの各省庁はさらに尽力しなければなりません。世界銀行の「ビジネス環境の現状」報告書には経営破綻の解決や借款の貸出、小規模投資家の保護などの問題が重視されていることからベトナムは国際通例に従って経営環境の改善を進める必要があるとしています。
ベトナム商工会議所のブ・ティエン・ロック会頭は次のように明らかにしました。
(テープ) Loc
「企業界はベトナムの体制改革事業が最盛期に入っていることが実感できるでしょう。年初から政府は一連の重要な決定を出すなど、複数の自由貿易協定の交渉・締結に力を入れています。また、体制改革を促進するため、行動計画や監視メカニズムを打ち出しました。」
今後2年間、ベトナムはASEANの国際競争力ランキングの中で6位からシンガポール、マレーシア、タイに次いで4位に引き上げるという目標を掲げています。ベトナム経済の再構築と世界経済への参入が進められている背景の中で、この目標達成の必至の課題となるとみられます。