農業農村開発省のグエン・バン・ビェット計画局長＝Minh Phúc

新型コロナウイルス感染症が発生してからこの2年間、農業部門は国の経済開発事業における役割が急速に高まり、ベトナムの成長低迷からの脱却に大きく貢献しています。

こうした中、農業部門は、農産物の付加価値の向上や、成長モデルの刷新、新農村建設の促進などに関する複数の目標を設定しています。その中で、4830万トンの食糧を生産することや、農産物の輸出額が500億ドル以上に達することが重要だとされています。

これらの目標達成を目指し、農業農村開発省は2021～2030年期における農業農村の持続可能な開発戦略を発表しました。同省のグエン・バン・ビェット計画局長は、「農業部門が戦略を発表するのは今回が初めてである」と明らかにし、次のように語りました。

（テープ）

「各関連機関や、省庁、地方は力を合わせなければ、この戦略は実現できません。というのは、農業農村開発省は、単独でその戦略を実施できないからです。そのため、計画投資省や、財務省、商工省、天然資源環境省、科学技術省、労働省、国家銀行が参加し、自らの関連政策を点検する必要があります」

レ・ミン・ホアン農業大臣＝Văn Giang

一方、レ・ミン・ホアン農業大臣は、「この戦略は農業と農業生産の再構築を基礎にするものである」と明らかにしました。

ホアン大臣によりますと、農業部門は「農業生産」という発想から「農業経済」にシフトし、市場の要求に従って、生産を高め、製品の質の向上や、価値の多様化、ブランドの確立などを促進していくとしています。また、グリーン農業とエコ農業開発、近代的な科学技術の導入、環境保護、農業用資材のさらなる削減、天然資源の効果的な使用、農業部門の競争力向上などにも力を入れていくとしています。

ホアン大臣は次のように述べています。

（テープ）

「この戦略が公表され、農業・農村・農民の役割・地位・使命に関する管理者を含め、社会全体での認識向上につながることを望んでいます。農業部門が低迷する時期もありましたが、農業を軽視してはいけません。この戦略は農業部門の役割や、国の経済開発事業と社会の安定維持などへの積極的な貢献を再認識させてくれます。ベトナムの人口の60％が農家であり、農村部に住んでいることから見れば、これは意義深いものと言えます」       

2021～2030年期における農業農村の持続可能な開発戦略には、農業部門の年平均成長率が2.5％～3％に、そして、農村部における多次元貧困率の年平均減少率が1％ないし1.5％に達することや、ベトナムのグリーン農業の発展、貧困世帯の消滅などが目標として定められています。社会全体の努力により、これらの目標が早期に達成されることが期待されています。