(現場の音声)
毎日早朝1時頃から、イ・リン村の野菜畑には、いつも笑い声や話し合う声で賑やかになります。夜間の間、遠くから野菜畑にともる電灯の光は蛍のように見えます。51歳のブ・ティ・ヒェンおばちゃんは、消費者に最も新鮮な野菜を売るために、夜中から起きて野菜を取らなければならないと明らかにし、次のように語っています。
(テープ)
「毎朝1時から2時まで、どの野菜畑でも電灯のあかりがあります。夜間でも村全体が野菜を取りに行きます。霧雨や大雨のときはとても大変ですよ。」
このように語ったヒェンさんは、現在の畑作業は以前より楽になってきたと明らかにしました。2000年から、6千平方メートルの無農薬野菜のネットハウス栽培型が試験的に行われました。その1ヵ月後、無農薬野菜の効率と品質は基準を満たすようになりました。しかし、突破口となったのは半自動の灌漑システムです。
リン・ナム農業生産協同組合は、農地をうるおすために当初の6千平方メートルの面積に小型ポンプを使用した3つのミニ井戸を掘りました。その後、ハノイ市人民委員会の支持を受け、トイ・リン村は、浄水供給システムと半自動灌漑システムを建設しました。野菜畑に至るまでの浄水供給システムが整備されてから、野菜栽培業者が大変さを軽減されるようになりました。先ほどの、ヒェンさんは次のように語っています。
(テープ)
「浄水供給システムが整備されてから、皆、とても喜んでいます。野菜栽培の仕事をやめた人の多くがこの職業を再開しました。昔は、野菜にやる水汲みのために、遠くまで行かなければなりませんでした。とても大変でしたよ。」
ヒェンさんはこのように語りました。
(現場の音声)
トイ・リン村の野菜は、日増しに品質が高まっているので、ハノイ市民に愛用されています。野菜栽培業者の一人であるレ・ティ・ゴットさんは次のように語っています。
(テープ)
「トイ・リン村の野菜は無農薬野菜の基準を満たしています。野菜をかける水は清潔な水です。また、野菜畑のそばには、野菜を洗う浄水井戸が設置されているからです。」
ゴットさんはこのように語りました。
2004年、トイ・リン村はハノイ市内4ヶ所の無農薬野菜生産地域の一つに認定されました。現在、この村は市内の大手スーパーマーケットに大量の野菜を出荷しています。トイ・リン村では、おもに、チンゲン菜、菜の花、春菊などの葉物野菜が栽培されています。現時点で、新暦の1月下旬にあたる旧正月テト向けの野菜を出荷するための土地を準備しています。ゴットさんは次のように語っています。
(テープ)
「この村は、各種の野菜栽培ができますが、おもに、葉物野菜が中心です。カリフラワーだけが、旧正月テトだけに栽培されません。葉物野菜は寒い季節に適していますので、1ヶ月あれば収穫できます。」
ゴットさんはこのように語りました。
野菜の栽培は長年にわたり、トイ・リン村の人々と緊密に結ばれてきました。トイ・リンの村人は毎日、かなりの時間をかけて野菜畑の面倒を見ています。現在、野菜栽培のトイ・リン村は、野菜の販売ルートを確立する計画をしています。