WTO加盟とベトナム人消費者の心理の変化
WTO=世界貿易機関に加盟してからこの5年間、ベトナムは輸出市場拡大や、国民の生活改善など様々な成果を収めてきました。特に、ベトナム人消費者の心理、傾向、好みも積極的に変化しており、中でも、商品の品質、食品安全衛生などに関する需要が高まりました。
エコノミストらによりますと、この5年、多国籍の小売企業の競争により、ベトナムの小売システムは大きく発展しており、スーパーマーケット、貿易センターの数が急増しています。それに伴い、消費者らの心理、好みも変化しています。都市部の消費者のほとんどは各市場で買い物をする習慣からスーパーマーケットにシフトしています。また、ビューティーケアーや、健康ケアーなど新しいサービスも徐々に盛んになっています。ハノイ市民の1人グエン・タィン・ハさんの話です
(テープ)
「スーパーは、市場と比べると商品の品質が良いと思います。また、商品の種類も豊富です。勿論、スーパーの価格は高いですが、品質も高い。ですから、スーパーを選んでいます」
ハさんはこのように語りました。
エコノミストらによりますと、スーパーマーケットや貿易センターでの価格の安定性と商品の豊富さ、品質面での安全性などがお客さんを誘致する重要な要素だとしています。ハノイ市民のグエン・スアン・トゥエトさんの話をお聞きください。(テープ)
「スーパーで買い物をすることで安心できます。品質面だけでなく、価格もはっきり表示されますので、値段交渉が要らないのです。また、スーパーのスタッフが助言することもありますよ。このため、市場でなく、スーパーで買い物をしています。」
トゥエトさんはこのように語りました
ベトナム小売業者協会のディン・ティ・ミー・ロアン副会長兼理事長によりますと、消費者心理の変化はベトナムの小売市場の変化、発展に合致するものだということです。ロアン氏は「ベトナム小売業者は『サービスの質的向上』という公約を履行するためには人材育成、管理システムの刷新などに力を入れる」と明らかにし、次のように語りました(テープLOAN)
「ベトナムの小売業の出発点は低かったのですが、現在の発展は高くなっています。小売の形式も多様化されています。WTO加盟による圧力は厳しいですが、これは小売業者の発展の原動力ともなっています。現在の変化は目覚しいものだと思います。」
ロアン氏はこのように語りました
エコノミストらは「今後もベトナムの小売市場は徐々に発展する」と予測した上で、「小売業者が市場の要求に応えるためには、自社の競争力を向上させる具体的なロードマップを作成する必要がある」との見方を示しています。