クアン国家主席によるブルネイとシンガポール国賓訪問
8月26日から30日にかけて、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席が、ブルネイとシンガポールを国賓として訪問します。この訪問はベトナムとこの2国との協力関係をさらに発展させるとともに、東南アジア地域の平和と発展に寄与すると見られています。
ベトナム・ブルネイ関係 多面的に発展
ブルネイはクアン国家主席の最初の訪問先です。両国は24年前に外交関係を樹立しましたが、両国関係は近年、良好に発展しています。今回の訪問を通じて、ベトナムは、ブルネイとの協力関係を重視し、さらに発展させたいとの姿勢を示したいのです。訪問期間中、クアン主席はブルネイの指導者らと会談し、多面的な分野における両国の協力関係を拡大させる措置について協議します。また、双方は、投資奨励保護協定や農業・水産業協力覚書、労働協力覚書などの交渉を促進させ、早期に締結することで一致する見通しです。そして、共に関心を寄せている地域と国際問題について意見交換すると共に、国際場裏での連携と協調、及び、ASEANの中心的役割を発揮するための協力について合意を達成すると見られています。
ベトナム・シンガポールの戦略的パートナーシップを深化
ブルネイ訪問後、クアン国家主席はシンガポールを訪問します。シンガポールはベトナムにとって貿易分野でも投資分野でも最大の相手国の一つです。両国が2013年に戦略的パートナーシップを構築して以来、両国関係は実質的かつ効果的に発展しています。シンガポール駐在ベトナム大使館のグエン・ティエン・ミン大使は次のように語っています。
(テープ)
「この3年、両国の貿易総額は毎年22%の成長率を見せています。年初からの7ヶ月だけで、10.7%と成長しています。地域と世界の経済が停滞しているところがあっても、両国の経済関係は著しい潜在力を見せています。また、シンガポール企業によるベトナムへの投資も年々増えています。現在、シンガポールは、ベトナムに投資している国と地域の中で、日本と韓国に次いで3位に立っています。特に、今年の7月に、2位にあがっています。」
シンガポールは先ごろ、総選挙を行った後、今後50年のビジョン構築のために取り組んでいます。一方、ベトナムでは、今年の1月に第12回共産党大会が開かれ、今後のベトナムの発展方向が打ち出されています。こうした背景の中で、クアン国家主席による今回のシンガポール訪問は両国関係の更なる発展を加速させると期待されています。
先ほどのシンガポール駐在ベトナムのミン大使は、両国関係は潜在力が非常に大きいと述べ、次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムとシンガポールの経済はお互いに補助的・補充的なところが多くて、協力の潜在力は大きいです。特に、ASEAN経済共同体や東アジア地域包括的経済連携、TPP環太平洋経済連携協定などが促進されている背景の中で、両国の経済関係のスペースは両国間だけでなく、ASEAN、アジア太平洋地域、アメリカなどにも広がるでしょう。」
クアン国家主席によるブルネイとシンガポールへの国賓訪問はベトナムとこの2国との協力関係を一段と発展させるだけでなく、地域の平和と発展に大きく寄与することでしょう。