ベトナム、シンガポール、およびブルネイ間関係への新たな推進力
(VOVWORLD) -この訪問は、ベトナムがシンガポールおよびブルネイ間の関係を重要視するとともに、新たな推進力を作り出そうとしています。
シンガポールのリ・シェンロン首相とブルネイのハサナル・ボルキア国王の招きに応じて、ファム・ミン・チン首相夫妻率いるベトナムの高級代表団は2月8日から11日にかけてこの2か国を公式訪問しています。この訪問は、ベトナムがシンガポールおよびブルネイ間の関係を重要視するとともに、新たな推進力を作り出そうとしています。
ベトナム、シンガポール、およびブルネイは特別な成果を生み出せる多くのチャンスに恵まれています。3か国の協力は東南アジア地域の経済発展に重要な意義があると期待されています。
シンガポールの重要な経済相手国であるベトナム
シンガポールは、1973年8月にベトナムと外交関係を樹立しました。以来、両国関係は、順調に発展してきました。2013年に、シンガポールはベトナムと戦略的パートナーシップを樹立した最初のASEAN加盟国となっています。
両国間の経済協力は、二国間関係のハイライトとなっています。現在、ベトナムは域内において急速な経済発展の見られる国の一つです。過去3年間、シンガポールは、ベトナムにとって大きな投資家の一つとなっています。現在、11箇所のベトナム・シンガポール工業団地が、ベトナム全国各地に設置されており、30万人余りのベトナム人労働者の雇用を創出しています。チン首相による今回のシンガポール公式訪問の直後に、デジタル経済、再生可能エネルギー、持続可能なインフラ整備などの分野における両国関係がさらに発展することでしょう。
ヴァナリス・チェン所長(TTXVN) |
両国の協力展望について、アジア・ビジョン研究所のヴァナリス・チェン所長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「シンガポールは、先進的な技術、デジタル経済、グリーン経済、サイバーセキュリティを有しています。その一方で、ベトナムは、デジタルトランスフォーメーションが急速に発展しています。また、ベトナムは、デジタル経済が東南アジア地域で最も急速に発展する国の一つです。ベトナムの多くの企業は、テクノロジーに堪能で、テクノロジー開発によるスタートアップ精神を持っています。両国間の協力にとって潜在的に有益な分野であると思います。両国は、デジタル経済、グリーン経済、スマートシティ、サイバーセキュリティにおいて協力を推進することが出来るでしょう」
ブルネイとの協力関係を強化
ベトナムとブルネイは1992年に外交関係を樹立しました。2019年3月に行われたブルネイのハサナル・ボルキア国王によるベトナム国賓訪問を機に、両国関係が包括的パートナーシップに格上げされました。
2022年、両国間の取引総額は7億ドルに達し、2021年と比べて134%増となり、両国が設けた目標値を上回りました。ブルネイはベトナムに9億7100万ドルを投資し、ベトナムで投資活動を行っている世界141か国、地域の中で26位に立っています。これらの投資プロジェクトは主に加工製造産業、建設業、不動産経営です。今後、両国は農林水産物、インフラ開発、建設など、両国の得意な分野で協力を強化します。
ベトナムとブルネイとの関係について、アジア・ビジョン研究所のヴァナリス・チェン所長はさらに次のように明らかにしました。
(テープ)
「ベトナムとブルネイとの関係はベトナムとシンガポールとの関係のような成功には至っていないと言えます。しかし、両国はASEAN加盟諸国であることからASEANが制定した体制の枠内で緊密な関係を結んでいます」
国防・安全保障分野において、両国は訪問団の往来、情報交換、救援協力などを効果的に進めています。そのほか、両国はエネルギー、農業、教育、草の根外交などの分野においても協力しています。
チン首相夫妻による今回のシンガポールとブルネイ公式訪問はベトナムとこの2か国との政治、貿易、投資関係の強化のほか、ともに関心を持っている地域と国際問題の解決の協力に寄与することでしょう。