(VOVWORLD) - 長年の交渉を経て、6月30日、ハノイで、EU 欧州連合とベトナムはFTA自由貿易協定に調印しました。これは双方の全面的パートナー関係における重要な節目となっています。
ベトナムとEUの外交関係は1990年11月に樹立されてから、迅速に発展しています。2012年、双方はPCAベトナム・EU全面的パートナーシップ協力協定を締結し、平等を基礎に、全面的かつ長期的な協力の拡大に法的枠組みを作り出しました。今回、FTA自由貿易協定とIPA投資保護協定の締結は双方関係を新たな発展段階に押し上げるものとなっています。
平等なパートナー
この協定は全面的で広範な協定であり、貿易・投資、持続可能な開発など多くの経済分野を網羅して、双方にも大きなチャンスをもたらし、潜在力を最大限に活用するとともに、貿易投資協力を推進し、長期的な利益を作り出すとしています。FTAは2025年までにベトナムのGDP国内総生産を4.6%、EU向けのベトナムの輸出額を42.7%増加させると予測されています。
EUはアジアにおいて4番目の国、また、初のアジア途上国とのFTAを締結したことはベトナムとの関係を重視し、ベトナムの地位を高く評価することを立証しています。商工省のチャン・トゥアン・アイン大臣は次のように語りました。
(テープ)
「FTAが締結されたことにより、ベトナムはグローバル化や貿易円滑化に大いに貢献した国として、国際社会における地位向上が図られました。FTAとIPAはベトナムとEUの関係を新たな発展段階に押し上げ、全面的パートナー関係に値するものに格上げました。」
一方、EUは、このFTAについて、開発途上国と結んだ「最も野心的な通商協定」と評し、期待感を示しています。欧州委員会のセシリア・マルムストロム通商担当委員は次のように語りました。
(テープ)
「FTAとIPAに盛り込まれたそれぞれの投資家と投資額を公平かつ平等に扱い、安全保障を確保するという公約は明白な投資・法的環境づくりに貢献し、ベトナムにEU諸国をはじめ、各国からの投資家をさらに誘致するでしょう。」
特筆すべきことはこれらの協定は東南アジア地域に対するEUの関心を高め、EUとASEANとの貿易投資協力関係の緊密化に弾みをつけると期待されています。
困難を乗り越え、チャンスを生かす
ベトナムは低い発展度合にあり、中小企業が大多数を占めていることから、試練に対応しながら、FTAとIPAのメリットを活用することは容易ではありません。
物品貿易では、ベトナム側のEU原産品に対する関税は全品目の65%が発効と同時に撤廃し、その他、最長10年の段階的な逓減期間を経るという段取りはベトナムの有力な品目の輸出を促進するだけでなく、ベトナム企業の発展、参入の促進に十分な期間となります。さきほどのチャン・トゥアン・アイン商工大臣は次のように語りました。
(テープ)
「これまで積んできた経験を活かし、国際参入に関する一貫した立場を堅持することで今後、政府の行動計画は企業と市民にFTAへのアプローチのため、有利な条件を作り出すと思います。政府は貿易紛争の処理メカニズムに注目し、企業の正当な権利を保護するため、適切な支援計画を作成しています。」
現在、FTAは欧州議会とベトナム国会の承認を控えています。発効された暁には、双方の全面的パートナー関係を新たな発展段階に押し上げ、アジアと欧州、ひいては世界の平和、安定、協力、発展に貢献するでしょう。