児童労働の防止対策に取り組むベトナム

(VOVWORLD) -6月12日は「児童労働反対世界デー」です。今年の「児童労働反対世界デー」のテーマは、「共通の約束のために行動しょう:児童労働をなくそう」というテーマを掲げています。

 

ベトナムの児童労働率がアジア太平洋地域の平均比率より2%低く、世界水準より4.2%低いということです。

労働傷病軍人社会事業省所属児童局長のダン・ホア・ナム氏によりますと、ベトナムでは約170万人の子どもが経済活動に参加しており、5歳~17歳までの児童、青少年のおよそ9.1%を占めるということです。経済活動に参加している子どもの 58.8% が児童労働者であると特定されています。これらの子どもたちの大多数は農業、建設業、サービス業で働いています。

近年、ベトナムで、児童労働の防止と軽減は多くの進歩を遂げてきました。ベトナムの児童労働率は年を追って減少しています。児童労働に関する全国調査結果によりますと、ベトナム人の児童労働率が2012年の15.5%から2018年の9.1%に減少したということです。ナム局長は次のように語りました。

(テープ)

「私たちは、児童労働に関するILO=国際労働機関 の条約および国際慣行を遵守しています。現在、ベトナムの児童労働率は減少しており、アジア太平洋地域全体の児童労働率よりも4%低くなりました」

一方、経済活動に参加する子どもの学校に通う割合も、この10年間で43.6%から63%へと大幅に増加しました。 ベトナムは児童労働を減らすため、法的枠組みの整備に絶え間なく努力してきました。2016 年の児童法と 2019 年の労働法ではいずれも児童労働に関する厳しい規制が出されました。また、ベトナム政府はILO第138号条約や第182号条約など、子どもの権利と児童労働防止に関する多くの国際条約に署名したり、批准したりしています。

さらに、2021年~2025年までの法律違反の児童労働の防止・削減プログラムと2030年までのビジョンなどの国家プログラムが実施されています。これにより、貧しい世帯の生活改善、教育、職業訓練などが展開されています。

国際労働機関ベトナム事務所所長のイングリッド・クリステンセン女史は、ベトナムは児童労働と強制労働に先駆的な国の一つであると評価しました。

ベトナム政府は児童労働を減らすため、義務教育の普及、識字政策、少数民族の子供、障害のある、あるいは貧しい子供たちの教育へのアクセスの公平性を確保する政策など、多くの基本的な解決策を集中的に実施しています。これと同時に、子どもを最優先とした社会保障政策、貧困解消政策を強化するとともに政府のプログラムやプロジェクトを推進しています。


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