(VOVWORLD) - 2022年、ベトナムのGDP=国内総生産は8.02%に達し、1997年以降、最高値を記録しました。
世界の複雑な地政学的状況や衝突、感染症による経済停滞の中でも、ベトナムは適切なマクロ政策を柔軟に運営したことで著しい経済成長を遂げたとしています。世界銀行やアジア開発銀行、国際通貨基金などはベトナム経済を楽観視し、2023年もベトナムはアジア太平洋地域の中で群を抜いて高度な経済成長を遂げると予測しています。しかし、世界経済の悪化に備え、ベトナム政府はマクロ経済を安定化するための適切な措置を取る必要があるとしています。
政府の適切で柔軟な政策
海外の経済専門家によりますと、ベトナム政府は新型コロナウイルス感染症に対応するため、適切な政策を講じてきたとしています。感染症抑制後、政府は企業、人民の生産回復を目指す様々な支援策を実施する一方、外国投資の誘致と輸出を促進してきました。資産運用会社ビナキャピタルのマイケル・コカラリ経済専門家は「2022年のベトナム経済成長のきっかけとなった基本的な要素は輸出と外国投資であるとの見解を述べました。ベトナムは地政学的変化の活用で輸出の促進が図られました。また、中国の「ゼロコロナ」政策の堅持や、アメリカの中国製品に対する関税率引き上げはベトナムにとって有利に働きました。これは2022年における外国企業のベトナムへの投資シフトで示されたとしています。
シンガポールの主要紙ストレーツ・タイムズによりますと、2022年、ベトナムの経済はアジアで最も急速に成長したとし、また、CNNは1997年以来の最も成長が急速であると伝え、BBCは2011年から2022年期の最高成長率であると伝えました。こうした中、ロシアの通信社スプートニクは低いインフレ率、迅速な経済回復、輸出入の飛躍的な成長、政治的安定、外交活動の成果により、ベトナムは不況と危機で覆われている世界の中で注目に値すると強調しました。
ベトナムはWTO =世界貿易機関が発表した世界の輸出入額上位30か国の中に常に入っています。2022年、ベトナムの輸出入額は7千億ドルを突破しました。
成長率維持を目指し、試練を乗り越える
経済専門家によりますと、2023年、ベトナムは複雑な国内情勢の渦から抜け出せず、インフレや為替相場の上昇、不安定な不動産・金融・証券市場などの問題が浮上すると予想されています。
アジア開発銀行ベトナム事務所のアンドリュー・ジェフリーズ所長は公共投資の実行について、次のように語りました。
(テープ)
「世界情勢は予測できないほど複雑に推移し、為替相場やエネルギー価格が上昇するとともに、不動産価格も変動しています。こうした中、予算の歳出構造は変わらないため、公共投資の実行は難航するでしょう。その対策として柔軟な政策を取った方がよいと思います」
一方、世界銀行の経済専門家であるアーメド・エイウェイダ氏は「多くの法的メカニズムが実状に見合っていないため、政府は地方にさらなる権限を与える必要があるとの見解を示し、次のように語りました。
(テープ)
「ベトナム政府は指導方針を盛り込んだ政策を出しましたが、地方レベルで実施された場合、法的メカニズムが改正されないので、様々な課題が発生する可能性があります。そこで、政府の監視と監査の下で地方にさらなる権限を与える必要があります」
世界銀行によりますと、2023年、ベトナムのGDP=国内総生産の伸び率は6.7%に達し、6.5%という政府の目標を上回る可能性があるとしています。また、ベトナムの改革へのコミットメントや外国投資誘致により、ベトナムはアジア太平洋地域の上位国になるでしょう。