(VOVWORLD) -ASEAN=東南アジア諸国連合の加盟国は、ベトナム東部海域の利益を直接受けることから、この海域はASEAN地域にさらなる重要な地位を占めています。
アジア地域における戦略的な海域であるベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)は、国際共同体の注目を集めています。この海域は、多くの国が利益を共有している海域となっています。どの国も、この海域での航行の自由、貿易、往来などを確保したいのです。ASEAN=東南アジア諸国連合の加盟国は、ベトナム東部海域の利益を直接受けることから、この海域はASEAN地域にさらなる重要な地位を占めています。
海域問題を巡る見解や立場の統一
この間のベトナム東部海域の情勢は、大国間の関係を悪化させる要素であると多くの意見が相次ぎました。この海域で人工島を造成して軍事複合施設を建設している中国の行為は、多くの国、特に、ASEAN加盟諸国の強い反応を引き起こさせました。多くの国は、国連にベトナム東部海域への法的立場を表明する文書を送付しました。
ベトナム外交学院のファム・ラン・ズン博士は、「このことは、ベトナム東部海域を巡る紛争解決に向けた国際法の支配におけるASEANの統一性を示した」と明らかにしました。
(テープ)
「法的な言語と内容を盛り込まれた文書を公表したことは、各国が、国際法、特に、1982年の国連海洋法条約の役割と価値を重視していることを示しました。これは、国際共同体が期待している『法の支配』という精神を示す行動となっています。」
ASEANは、2025年までに、ベトナム東部海域がASEAN共同体に対する主要試練の一つであることを深く認識した上で、対応策を講じています。2020年中に開催された第36回と第37回ASEAN首脳会議で、ASEAN加盟諸国の指導者らは、「ベトナム東部海域を巡る問題解決に向けた唯一の法的基礎は1982年の国連海洋法条約である」ということで合意しました。また、COC=海上行動規範の締結に向けた交渉を加速することで一致しました。重要なことは、ASEANは、大国間の競争が益々激化していく中で、自らの核心的な役割を強調したいということです。
ズン次官= TTXVN |
ベトナム外務省のグエン・コック・ズン次官は次のように語りました。
(テープ)
「ASEAN加盟諸国は、共通の利益のために、地域と国際的な諸問題、中でもベトナム東部海域の問題に対する独自の立場を堅持しています。このことは、地域内におけるASEANの核心的な役割を確実に保つ方法です。」
重要な役割を果たすASEAN
ベトナム東部海域は、短期的にも長期的にもASEAN諸国に直接関係する多くの複雑な利益があります。というのは、ASEANは、世界で発展している地域の存在です。このような中で、ベトナム東部海域の問題は国際法に従って正しく解決されなかった場合、地域全体に悪影響をもたらすでしょう。そこで、ASEANは、ベトナム東部海域の問題解決に向けた重要な役割を確実に保つ必要があります。
インド人のRudroneel Ghost ジャーナリスト |
インド人のRudroneel Ghost ジャーナリストは次の見解を述べています。
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「ASEANはベトナム東部海域問題の解決や法的・外交的プロセスの推進、多国間メカニズムの強化で重要な役割を果たしています。世界的な権力のバランスは西から東にシフトしています。その理由で、最大の政治的安全保障問題は東アジア地域に集中しているからです。重要なのは、この地域の法律に則って秩序を守り、国際法、他国の領有権を尊重しなければならないということです。」
ASEANは、国際法と1982年の国連海洋法条約に沿って、ベトナム東部海域を巡るあらゆる紛争や対立を平和措置で解決するという立場を何回も強調した他、DOC=海上行動宣言を厳粛に履行し、COCの策定に努力しています。