この数年、科学技術分野や教育訓練分野におけるベトナムと日本との協力関係は絶え間なく強化されています。ベトナムの科学技術と教育の発展に対する日本人科学者の貢献を認め、ベトナム側は日本人科学者らに多くの商号を授与してきました。11月13日、ベトナムの国立総合大学・ベトナム国家大学ハノイ校は2008年のノーベル物理学賞を受賞した京都産業大学理学部の益川・
敏英教授に名誉博士の称号を授与しました。
2008年10月7日、スウェーデン王立科学アカデミーはノーベル物理学賞を、アメリカのシカゴ大学エンリコ・フェルミ研究所のアメリカ国籍の南部・陽一郎氏、高エネルギー加速器研究機構の小林・誠名誉教授、京都産業大理学部の益川・敏英教授の日本人3人に授与すると発表しました。素粒子の理論で先駆的な役割を果たしたこと が評価され受賞となりました。
南部陽一郎氏の受賞理由は「素粒子物理学と核物理学における自発的対称性の破れの発見」、小林氏と益川氏の共同研究が「クォークが自然界に少なくとも三世代以上あることを予言した、対称性の破れの起源の発見」となっており、素粒子物理学における「対称性の破れ」を扱い、現在の素粒子物理学の理論的な基盤になっている研究であることが共通しています。
他方、益川教授は日本とハノイ国家大学との友好、協力関係の強化、発展に大きく貢献してきた人物です。去る10月、ベトナム国家大学ハノイ校のフン・スアン・ニャ総長は益川教授の貢献を評価し、名誉博士号の授与を決定しました。ニャ総長は次のように語りました。
(テープ)
「当大学は世界の科学技術に際立った貢献をしてきた科学者を表彰します。益川氏は当大学のパートナーとなっている大学の教授であることから、この授与式はその意味があります。また、この授与式はハノイ国家大学の教授、中でも若い科学者に対し、素粒子研究に専念するよう原動力になると思います。」
授与式後、ハノイ国家大学の学生は益川教授と交流しました。益川教授は次のように話しています。
(日本語テープ)
こうした中、日本政府からもベトナムの外交官や科学者に様々な称号を授与しています。一例をあげますと、ファン・バン・カイ元首相、ブー・コアン元副首相、ボー・ホン・フック元計画投資相らは勲一等旭日大綬章を、在日本ベトナムのチュ・トゥアン・カップ大使は名誉博士号を授与しました。