日越関係の重要な節目

(VOVWORLD) - べトナムと日本は1973年9月21日、外交関係を樹立しました。近年、両国関係は強力に発展しています。主要7か国(G7)において、日本は(1995年)ベトナム共産党書記長の訪問を招へいし、 (2009年)ベトナムとの戦略的パートナーシップを樹立し、(2011)ベトナムの市場経済体制を承認し、また(2016年5月)ベトナムをG7拡大首脳会議へ招へいした最初の国です。

両国関係における重要な節目

2002年からこれまで、両国関係は絶え間なく発展しています。2002年4月、当時の日本の小泉首相のベトナム訪問にあたり、両国の首脳は「信頼できるパートナー、長期的安定」という方針のもとに両国関係を構築することに合意しました。

2004 年 7 月、双方は「持続可能なパートナーシップを新たな発展段階に発展させる」ことを目指しました。

2006 年 11 月、故安倍首相のベトナム訪問にあたり、双方は「アジアの平和と繁栄のための戦略的パートナーシップに向けて」という路線に沿って両国関係を構築することとし、共同宣言を発表しました。

2007年11月、当時のグエン・ミン・チェット国家主席の日本国賓訪問に当たり、チェット主席と福田元首相は、「日越関係の深化」と「戦略的パートナーシッ プに向けた協力プログラム」に関し共同声明を発表しました。

2009年4月に、当時のノン・ドゥク・マイン党書記長の日本公式訪問にあたり、マイン書記長と麻生首相は双方が「アジアの平和と繁栄のための戦略的パートナーシップ」 について共同声明を発表し、両国関係を戦略的パートナーシップに格上げすることを決定しました。

2010年、当時の菅(かん)首相のベトナム訪問にあたり、両国首相は「アジアの平和と繁栄のための戦略的パートナーシップ」 の全面的な発展に関する共同宣言に調印しました。

2011年10月に、当時のグエン・タン・ズン首相の日本訪問にあたり、ズン首相と野田首相は両国間の「アジアの平和と繁栄のための戦略的パートナーシップ」の展開に関する共同宣言を発表しました。

2014年3月、日本国賓訪問にあたり、当時のチュオン・タン・サン国家主席は故安倍首相とともに、両国間の「アジアにおける平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ」に関する共同宣言に調印しました。

2015年9月に行われたベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長の日本公式訪問にあたり、チョン書記長と故安倍首相はベトナム・日本関係の共同ビジョンに関する宣言を発表しました。

2017年2月28日から3月5日まで、当時の天皇・皇后両陛下はベトナムを国賓として訪問されました。天皇・皇后両陛下のベトナム訪問は今回が初めてで、両国間の友好・協力関係の歴史的な節目になると評されています。

2018年5月29日から6月2日にかけて、故チャン・ダイ・クアン国家主席夫妻は国賓として日本を訪問しました。この訪問は両国間の政治的信頼を深め、ベトナムと日本の皇室、政府、国会、政界、経済界との関係を緊密化させることに寄与したと評価されました。

2020年10月18日から20日にかけて、菅(すが)・義偉前首相はベトナムを公式訪問しました。この訪問は菅首相就任後の最初の外遊であり、日本の新首相が2回連続して初の外遊先としてベトナムを選びました。

2021年11月22日から25日にかけて、ファム・ミン・チン首相は日本を公式訪問しました。これは、岸田文雄首相が就任して以来、外国の首脳による初の訪日となり、良好に発展している両国間の広範な戦略的パートナーシップを新たな発展段階に押し上げると期待されました。

2022年4月30日と5月1日の両日、ベトナムへの公式訪問にあたり岸田文雄首相は、「ベトナムは『自由で開かれたインド太平洋』実現の要となる重要なパートナーだ」と強調しました。

政治関係

両国関係は最盛期に入って、信頼度が高くなっています。両国のハイレベルな指導者らは相互訪問と国際場裏での接触を維持しています。

両国は対話体制を構築しており、中でも、両国の外相が共同議長を務める日越協力委員会(2007年から)や、外交・安全保障・国防に関する次官級の戦略的パートナーシップ対話(2010年から)、次官級国防戦略対話(2012年11月から)、次官級安全保障対話(2013年11月から)などがあります。

両国は、多国間フォーラムで緊密に協力・協調しています。ベトナムは、2016~2017年期における日本の国連安全保障理事会非常任理事国入り、および安保理拡大後の常任理事国入りを支持しています。

ベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)問題に関し、日本は、この海域での安全保障と航行の自由を確保する必要があると確認するとともに、「この海域でのあらゆる紛争も1982年国連海洋法条約を含め国際法に従って平和的措置で解決し、DOC=海上行動宣言を順守し、COC=行動規範を早期に制定する必要がある」という立場を支持し、現状の変更を試みるいかなる一方的行動にも強く反対しています。

 経済協力

日本はベトナムの最重要な相手国の1つとなっており、ベトナムの市場経済体制を承認したG7の最初の国です。両国は、投資奨励保護協定(2004年12月)や、VJEPA=ベトナム・日本経済連携協定(2009年10月)などを締結し、両国間の経済・貿易関係の有利な法的枠組みを作り出しました。

2020年までのベトナム・日本協力枠組と2030年までのビジョンにしたがって、日本は、自動車産業とその部品や、農業用機械製造、農・水産物加工業、電子製品、環境産業と省エネルギー、造船という6つの分野を含めベトナムの工業発展を積極的に支援しています 。

2022年、ベトナムへの日本のFDI=外国直接投資額は約47億8千万ドルに達し、ベトナムに投資している108の国と地域の中で、シンガポールと韓国に次いで3位に立っています。これにより、2022年12月現在、日本からの累計投資総額は約660億ドルにのぼっており、シンガポールに次ぐ2位に立っています。

貿易分野において、日本はベトナムにとって第4位の貿易相手国です。両国の貿易総額は長年連続して増加しており、2021年新型コロナの影響にもかかわらず、428億ドルに達し、前年と比べ7.8%増となりました。また、2022年初めからの8か月、両国の貿易総額は273億ドルに達しています。

 ODA=政府開発援助

日本はベトナムの最大のODA供与国となっており、これまで日本がベトナムに供与したODAは約270億ドルで、ベトナムのODA総額の約30%を占めています。現在、両国は日本のODAを効果的に展開するために、緊密に連携しています。

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