ベトナムの貧困発生率の低下

(VOVWORLD) - すでにお伝えしましたように、24日、北京で、ボアオ・アジアフォーラムは「アジア貧困削減報告書」を発表しました。報告によりますと、ベトナムは貧困発生率が1998年の35.5%から2019年に0.74%に減少し、アジアの貧困発生率低下上位10カ国に入っています。

「アジア貧困削減報告書」編集責任者である中国農業大学の李小雲教授は、「アジア諸国の経験は、政治安定と経済発展が貧困削減の重要な基礎であることを証明している」と述べました。また、アジア諸国の貧困削減の経験を総括し、「貧困発生率が高い国はほぼ、政治が比較的安定している国である。経済発展は貧困削減の重要な基礎であるが、貧困人口が必ず利益を手にするとは限らない」と強調しました。

実際、ベトナムの貧困解消事業は多大な成果を収めており、国際社会の好評を得ています。貧困率が1990年の57%から2014年に1・35%に下がったことはその証とみられています。2016∼2020年期において、ベトナム政府は多次元貧困に関する基準を導入しましたが、これもベトナムの貧困解消事業が新しい段階に入っていることを示しています。

同期の経済社会発展計画において、ベトナムは、毎年、貧困率を1%~1・5%を削減する目標を設定しています。この目標達成を目指し、政府は、浄水・環境衛生・教育・医療、社会保険などのサービスの質的向上に力を入れています。

一方、世界銀行が2018年4月に発表した「ベトナムの貧困解消と繁栄確保・新しい進歩」と題する報告書によりますと、ベトナムの貧困率は引き続き急減し、中でも、少数民族の貧困率は13%とも低下し、この10年の記録となっています。これにより、貧困状態にあるとされている人数はおよそ900万人で、総人口の9.8%に相当しています。

また、ベトナムの中所得層は、2010年から2017年までの期間に20%増と、急速に増えており、ベトナムの総人口の13%を占めているということです。銀行は、「貧困解消を促進させていくためには、インフラ整備や、農業構造の改革、労働力の質的向上、貧困状態にある家庭の子どもへの教育のチャンスづくりなどが非常に重要だ」と勧告しています。

国際社会の支援や、政府の正しい政策、国民・企業の努力などにより、今後もベトナムの貧困解消事業がさらに多大な成果を収めていくと期待されています。 

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