(VOVWORLD) - 既にお伝えしましたように今年の第3四半期と年初から9ヶ月のGDP=国内総生産の伸び率はこの十年間で最低となりましたが、新型コロナウイルスのパンデミックで、世界各国のほとんどがマイナス成長となっている中で、これは前向きな成果であると評されています。
経済専門家らによりますと、ベトナム国内では新型コロナウイルスの感染が効果的に抑制され、経済回復が早期に図れるならば、年末までのGDP成長率が増加すると予測されています。
先ごろ、ベトナム計画投資省所属統計総局が発表した経済報告によりますと、今年第3四半期のGDP=国内総生産の伸び率は2.62%で、年初からの9ヶ月の伸び率は2.12%に達しました。また、「Covid19」という言葉フレーズが48回繰り返されました。新型コロナ禍は農業、工業・建設、サービス業の3つの分野の記録的な低い成長率の原因として挙げられています。
特に、サービス業は最も深刻な影響を受けた分野とされています。輸送や倉庫サービスは4%減、宿泊や飲食サービスは17%減となりました。
一方、輸出入分野の増加率の低下は新型コロナによる国内外の市場の需要減少を反映しました。輸出額は昨年同期と比べわずか4%増となり、輸入額はおよそ1%減少しました。ただ、これにより、貿易黒字はおよそ170億ドルに達し、外資準備高の増加に前提を作り出しました。
年初からの9ヶ月のGDP伸び率は2.12%にとどまりましたが、政府が打ち出した2%という目標を上回っています。統計総局によりますと、年初からの9ヶ月の公共投資の実施額は昨年同期と比べ、33%増となりましたが、計画の60%しか達成できませんでした。年末までの3ヶ月、実施される公共投資の実施額はおよそ907億円となっています。また、年初以来、銀行が実施した貸出額の増加率は5.12%に達し、14%という目標を下回っています。年末までに、企業の生産活動が回復・拡大されると貸出額が増加すると予測されています。
しかし、統計総局によりますと、世界経済状況が複雑に推移していくことでベトナム経済は様々な試練に直面すると予測されています。今後、ベトナムは新型コロナ対応策を断固として継続するとともに、生産経営活動の困難解決や経済回復を目指し、企業を中心とする適切な補助パッケージを実施し、公共投資の実施を加速させ、経済成長や生産性の向上に原動力をつけなければなりません。