ベトナム人全ゲノムSNP遺伝子型データ解析作業、新たな発展段階に入る
(VOVWORLD) -既にお伝えしましたように、12月16日、ハノイで、ベトナムの大手民間企業「ビングループ(Vingroup)のビッグデータ研究所「ビンビッグデータ」は、「ベトナム人の遺伝的変異に関するデータベースづくり」というプロジェクトの完了式を行いました。
席上、発表された報告書によりますと、同研究所は1000名のベトナム人の全ゲノムSNP遺伝子型データの解析に成功しました。ベトナム人の全ゲノムSNP遺伝子型データが解析されたのは今回が初めてです。
投資額が450万ドルであり、世界の最も先進的な設備・技術を導入しているこのプロジェクトは2018年12月から始まりましたが、科学者らは1000人の健康な成人や、普遍的な病気にかかわる4000ケースを対象に研究活動を行いました。その結果、4000万件以上の遺伝的変異が発見され、その中の200万件はベトナム人独特のものとしています。
ビンビッグデータの所長を務めるブ・ハ・バン博士は、「これはベトナムでの精密医学の開発に貢献する」と明らかにしました。バン所長によりますと、これまで、医師らは1つの治療法を複数の患者に適用してきました。つまり、同じ病気にかかる人々に同じ治療法や、同じ治療薬を使用するという意味です。しかし、全ゲノムSNP遺伝子型データがあれば、それぞれの患者を対象に、治療法を調整するようになるとしています。
一方、今回の研究結果の重要性に関して、ハノイ医科大学評議会のタ・タン・ヴァン教授は、「現在、医師は主に、臨床試験や、生化学試験、病歴などに基づき、病気診断・治療を行なっているが、全ゲノムSNP遺伝子型データは病気診断・治療の精度と効果向上に役立つ」と分析しました。
また、国内外の科学者や専門家らによりますと、「ベトナム人の遺伝的変異に関するデータベースづくり」プロジェクトの成果は、予防医学と精密医学の開発を促進するための前提となり、これを通じて、ベトナム人の健康増進に貢献するとしています。