(VOVWORLD) - 4月30日の南部解放・国家統一50周年を迎えるにあたり、若者たちは歴史の物語や映像を広く伝えようと取り組んでいます。
「スカイライン」という若者グループは、戦没者の写真を修復し、AI技術を活用して、歴史映像を制作することで、過去と現在をつなぎ、若い世代に愛国心を育むことを目的としています。
このプロジェクトは、北部ハイズオン省出身のフン・クアン・チュンさんが2021年に立ち上げたもので、色あせ、顔の判別も難しい古い写真をもとに、戦没者の肖像を再現しています。「スカイライン」のメンバーは手作業とAI技術を駆使して、これらの写真の修復に力を尽くしています。また、静止画にとどまらず、AIを用いた歴史映像の制作にも取り組んでいます。スカイラインのリーダー、フン・クアン・チュンさんは次のように語っています。
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「最近では、サク森で戦った特殊部隊の兵士たちにちなんだ短編映画を制作しました。1975年4月30日の勝利に貢献した英雄たちの姿を、AI技術で再現しています。これをSNS=ソーシャル・ネットワーク・サービスなどで広く発信し、特に若い世代に歴史的な出来事や先輩の勇敢な精神を感じ取ってもらえたらと思います」
「スカイライン」グループのメンバーにとって、1枚の復元写真は、単なる技術と芸術の融合にとどまりません。そこには、細部へのこだわりや深い思い、そして試行錯誤の積み重ねが込められています。メンバーの1人であるリュウ・ホアン・ヴーさんは、次のように明らかにしました。
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「人工知能は私たちに大きな力を与えてくれました。AI技術を使えば、より現実に近い動きや表情、声の再現が可能になります」
これまでに同グループは数千枚にのぼる戦没者の写真を復元し、それを遺族の手元に届けてきました。特に、独立記念日など国家の重要な行事に合わせて多くの活動を行ってきました。メンバーのレー・ヴァン・フックさんは次のように話しています。
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「できる限り、正確な情報と資料を探すことが大切です。インターネットだけでなく、歴史資料や研究者の知見、また当時、戦った方々からの証言も大事にしています」
「スカイライン」という若者グループのこうした取り組みは、歴史の価値を社会に広め、民族自尊心を呼び起こす大きな力となっています。また、先人たちが祖国の独立と自由のために戦い、命をかけたその思いに対し、若者たちがテクノロジーを通じて感謝と敬意を表す「スカイライン」グループの活動は、現代に生きる私たちが過去と向き合い、未来へとつなぐ意義あるかたちだと言えます。