インドネシアでの地震と津波

(VOVWORLD) - 既にお伝えしましたように、9月28日、インドネシア中部のスラウェシ島中部でマグニチュード(M)7.5の大きな地震が発生しました。数百件の家屋が倒壊したほか、10月1日午前9時までの統計によりますと、死傷者数は1300人を越えているしています。

インドネシア気象当局は、「島の中部にある町パルとドンガラで最大で高さ3メートルの津波が観測された」と発表しました。一方、同国の国家防災庁によりますと、地震と津波によって、これまでに832人が死亡、540人が大けがをしました。

このほかに、多くの人が倒壊したホテルや商業施設などに閉じ込められているとみられ、犠牲者の数はさらに増えるおそれがあります。国家防災庁は、「この地震は、およそ240万人に悪影響を与えている」と指摘しています。

地震発生直後、救難・捜索活動が始まりました。事態を受けてインドネシア政府は国軍の兵士1300人と警察官1000人を治安維持にあたらせています。また、被災者を支援するために、4300万ドルの支出を決定しました。生存率が急激に下がると言われる災害の発生から72時間になるのを前に、現地では軍や警察による懸命の救助活動が続けられています。

しかし、パルなどでは停電が続いているほか、道路が寸断されていて、必要な重機や燃料が足りておらず、救助活動は難航しています。スラウェシ島の中部にあるパルでは、食料や燃料が不足した状態が続いていて、商店やガソリンスタンドなどで住民による略奪行為が行われています。

インドネシアのウィドド大統領は、「救助活動が難航している」と認めながら、「事態が早期に打開される」とした上で、国民に対し、冷静さを保つよう呼びかけています。

なお、2018年8月5日に、インドネシアのロンボク島でマグニチュード6.9の地震があり、約500名の死者がでました。

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