(VOVWORLD) -内戦が続くシリア情勢を巡りロシア、トルコ、ドイツ、フランスの4カ国は先週、トルコのイスタンブールで初の首脳会議を開きました。
シリア反体制派の最後の拠点、北西部イドリブ県の情勢や、和平に向けた政治プロセスなどを議題に協議しました。しかし、首脳会議のあと出された共同声明では、シリア危機を目指す対策はまだ取り上げられないとしています。
7年に及ぶシリア内戦ではアサド政権が圧倒的な優位を固め、反政府勢力の最後の主要な拠点、北西部のイドリブ県への総攻撃はロシアとトルコの合意でひとまず回避されたものの、戦闘の再燃が懸念されています。
首脳会議のあと出された共同声明では持続的な停戦の必要性を強調したほか、内戦の終結には政治的なプロセスが必要だとして自由で公正な選挙の前提となる新しい憲法づくりのため憲法委員会を年内に設置するよう求めています。
プーチン大統領は、「イドリブに関する合意書を展開することは簡単ではない。」と述べましたが、この合意書の展開におけるトルコの努力を評価しました。一方、フランスのマクロン大統領はイドリブに関する合意書を巡って、「ロシアとトルコの努力を見極めている。」と語ると同時に、「イドリブ合意書がシリアで持続的な停戦に向けた対策協議の基礎であろう」と希望を表明しました。また、ドイツのメルケル首相は、「軍事対策はシリア問題向け最後の対策ではない」と強調しました。
ドイツ、フランス、、トルコの3カ国は人道危機、さらなる難民流入を懸念し、アサド政権軍によるイドリブ県総攻撃の防止を求めてきました。政権軍の後ろ盾のロシアと、反体制派を支援するトルコが同県へのDMZ=非武装地帯設置で合意し、大規模戦闘は回避されていましたが、ドイツとフランスは首脳会議で停戦維持を求める考えを見せました。
会談後の記者会見で4人の首脳らは、「シリアの将来はシリア国民が決めることだ」と口をそろえ、今回の首脳会議が政治プロセスの進展につながるかどうか注目されているとしていますが、各側はシリア問題を解決するための具体的な対策を見出していない状態です。