(VOVWORLD) -この間、フランスで続いている燃料税引き上げなどに抗議するデモが、国内各地で行われ、パリでは凱旋門周辺にデモのシンボルの「黄色いベスト」を着た数千人が集結しました。
このようなデモは、フランス国民の福祉要求の抗議を始めるだけでなく、マクロン政権に反発する抗議運動を見せるとしています。
11月17日行なわれた初の全国規模のデモには、30万人近い人が参加しました。フランスでは燃料税の引き上げへの反発をきっかけにマクロン政権への抗議行動が広がっていて、8日、各地で行われたデモには合わせて12万5000人が参加し、一部が暴徒化して1700人以上が拘束されました。
デモから一夜が明け、街は静かな朝を迎えましたが、デモの参加者と治安部隊が衝突したパリの観光名所シャンゼリゼ通りやその周辺では、多くの建物で窓ガラスが割られたほか、店内に侵入されて略奪の被害に遭った店もあり、激しいデモの様子がうかがえました。
マクロン氏は価格上昇について、9カ月に及ぶ世界原油価格増加の影響だと主張しましたが、一方で化石燃料への増税は、再生可能エネルギー投資の財源として必要だとも述べていました。
フランス政府は抗議行動の激化を受け、2019年予算案から燃料税増税を除外することに合意しました。また、2019年中の電気・ガス料金値上げ凍結にも合意しています。
しかし、他の問題をめぐっても抗議が起きています。抗議者は賃上げ、減税、年金増加、大学入学要件の引き下げなどを求めていました。一連の抗議は、経済的な不満や低所得世帯の政治的不信を浮き彫りにすることを主な目的としており、支援の声もいまだに広がりをみせています。
7日に発表された世論調査によりますと、抗議行動への支持は以前と比べて低下したものの、66%の水準に留まっていました。一方、抗議行動による危機的状況を受けて、世論調査でのマクロン大統領の支持率は23%に下落しました。
マクロン政権は、デモのきっかけとなった燃料税の引き上げについて、先週、来年1年間は見送ることを発表しましたが、抗議行動は収まらず、今週末も再びデモが呼びかけられています。
地元経済にも深刻な影響が心配されるなか、マクロン大統領が発表する新たな対策によって事態が沈静化につながるか、注目されました。