(VOVWORLD) - 今年のプーチン大統領の年次教書演説は西側諸国をはじめ国際世論の特別な注目を集めています。
先週、ロシアのプーチン大統領はモスクワの連邦議会で、年次教書演説を行いました。向こう数年間の経済や民生、内政、国防などについて詳しく述べた上、「無敵」だとする一連の新たな核兵器を発表しました。
プーチン大統領は、「世界中が射程に入る」とする巡航ミサイルなどを公表し、西側諸国が「新たな現実を考慮に入れなくてはならず、新兵器がこけおどしでないと理解しなくてはならない」と述べました。
今回の演説で注視すべきはやはり、国防・安全保障政策にかなり力点を置いたことでしょう。アメリカによるMD=ミサイル防衛網の世界展開や、NATO=北大西洋条約機構の軍備増強、さらに、アメリカのトランプ政権が先に公表した「NPR=核体制の見直し」を批判しました。軍事的な脅威を「無力化」する対抗措置を講じていくとしました。
プーチン氏は新型のICBM=大陸間弾道ミサイルや、無人潜水艦など核弾頭が搭載可能な新しい兵器も次々と披露しました。「ロシアと同盟国に対して核兵器が使用されれば、規模の大小を問わず、瞬時に反撃する」とも公言しました。
ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、同国が軍縮条約に違反したとの批判を一蹴しました。「われわれは、ロシアが軍縮と軍備管理に関する国際法の規定や、条項に違反するとの非難を、断固として拒絶する」と述べ、「ロシアはいかなる軍拡競争にも引き込まれない」と表明しました。
アナリストらによりますと、今年の年次教書演説を通じて、プーチン大統領は自国の国防力とその平和的発展路線を示しています。また、これはプーチン氏の選挙戦略の一部となる可能性もあるとしています。