(VOVWORLD) -
冷戦後、最大規模の軍事演習となる「ボストーク2018」を実施したロシアは、日本海に面した海岸で上陸作戦を想定した演習を行いました。
ロシアのプーチン大統領は、ロシア軍と中国軍が初めて合同で行っている極東地域での大規模な軍事演習を視察して、両国の連携強化をアピールし、アメリカをけん制しました。
ロシアの極東シベリア地域で行われている軍事演習、「ボストーク2018」は、30万人の兵士のほか3万6000台の戦車や軍用車両が参加する4年に1度の大規模な演習で、ことしは中国の陸軍や空軍からおよそ3200人の兵士が初めて、参加していました。
この中でプーチン大統領は「ロシアの軍人に課せられた祖国に対する責務とは、国家の主権、安全、それに国益を守り抜くことだ。もし要請があれば、われわれは同盟国を支援する」と述べ、ロシア軍と中国軍の連携強化をアピールしました。
プーチン大統領としては、両国の連携強化をアピールし、朝鮮民主主義人民共和国問題を含む地域の安全保障をめぐって、アメリカをけん制する狙いがあるものと見られます。
両首脳共にアメリカへの直接的な言及はありませんでしたが、その後のプーチン大統領と地元当局者との会合で、中国の習近平主席はロシアと中国が一方的な行動と貿易保護主義に反対することで合意したと強調しました。「急速に変化する国際情勢と不安定・予測不可能な要因が取り巻く中で、ロシアと中国との協力の重要性はますます大きくなる」と語りました。
アナリストらによりますと、「ボストーク2018」演習は、アメリカに対する「シリアでのロシアの行動に介入しないで」という警告であることではなく、ロシア国内でプーチン大統領の威信を向上させるための政治的メッセージだとみなしています。とりわけ、この最大規模の軍事演習を通じて、朝鮮民主主義人民共和国と中国は、「両国はお互いのライバルではない」という兆しを見せました。
アメリカのトランプ政権が準備を進めている、中国からの輸入品に関税を上乗せするこれまでで最大規模の制裁措置について、アメリカの複数のメディアは、早ければ今月発動することを正式に表明する方針だと伝えました。ロシアと緊密に協力するのは、中国に対してロシアの軍事技術や実戦経験などを見習うことに役立つとしています。
アナリストらによりますと、史上最大規模の演習は、ロシアの強みを示し、「アメリカがライバルであり、中国がロシアの同盟国である」というメッセージを見せています。