(VOVWORLD) -先週、イスラエル議会は、イスラエルを「ユダヤ人の国家」と定義する法案の採決を行い、これを採択しました。同法案をめぐっては、アラブ系住民に対するあからさまな差別につながるとして物議を醸していました。
賛成62、反対55で採択された同法案には、これまではアラビア語も認められていた国語をユダヤ語のみとしたり、「ユダヤ人入植地は国益である」と定めたりする条項が含まれていました。この法案は、パレスチナをシオニストの土地であるとしており、またパレスチナ人は市民としての権利や人権を奪われることになります。
19日に可決された「ユダヤ人国家」法は、「イスラエルはユダヤ人の歴史的なふるさとであり、民族自決権はユダヤ人のみにある」と定め、ヘブライ語だけを公用語として指定しています。その一方で、アラビア語を公用語から除外することを盛り込んだほか、ユダヤ人の入植地開発を国益と位置付けていました。
また、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教のそれぞれの聖地があるエルサレムをイスラエルの「統一された首都」だとしています。イスラエルの人口、およそ900万人のうち、およそ20%がアラブ系ですが、アラブ系の議員らは「アラブ系住民を排斥するものだ」と強く反発しています。
ユダヤ人がシオニスト政権の議会での人種差別的な法案に大きな批判を浴びせているにもかかわらず、シオニスト政権は人種差別的なこの法案を採択しました。
この法は、ベイトルモガッダス・エルサレムの首都宣言に加え、シオニスト用の入植地の拡大、占領地における新たな入植地の建設を支持しています。多くのアメリカのユダヤ人協会も、この法案を人種差別的だとして、この法案の却下を求めていました。
これにより、エルサレムがイスラエルの首都と認定されたことに続き、イスラエルのこの新たな法案は『火に油を注ぐ』のような行動とみられ、中東地域におけるアラビア系とユダヤ系の人々の緊張関係をエスカレートさせるものとなることでしょう。