先週の主な国際ニュース7月29日から

*先週、中東和平交渉を仲介するアメリカのケリー国務長官はワシントン市内の国務省で記者会見し、最終地位交渉の約3年ぶりの再開を正式発表しました。イスラエルとパレスチナの交渉責任者は2週間以内に次回協議を行い、本格交渉に入ります。イスラエルとパレスチナは来年4月末を目標に、「2国家共存」(オバマ大統領)による和平達成を目指しますが、難問は山積みしています。イスラエルのリブニ法相とパレスチナの中東和平交渉の責任者アリカット氏が29、30の両日、国務省で直接協議を行い、交渉の議題や行程などを詰めました。交渉は少なくとも9カ月間続けられ、最終合意を目指します。

*7月28日に投開票が行われたカンボジアの総選挙で、フン・セン首相率いる与党CPP カンボジア人民党が勝利しました。しかし、広範囲にわたる不正が指摘され、野党の躍進も目立ちました。先週、カンボジア人民党の副党首を務めているフンセン首相は「CPP は最大野党・カンボジア救国党との対話のため、作業グループを結成した」と明らかにしました。フンセン首相は「国の安全保障と安定はこの選挙結果よりも重要である」と強調するとともに、「CPP の行動の目的は国の安定、平和のためのものだ」と述べました。また、フンセン首相は「カンボジアの民主的な政治環境に悪影響があたえる問題が発生した場合、野党の党首と対話を行なう用意がある」と述べました。

*アメリカ当局の市民監視プログラムを暴露し訴追されたCIA元職員、エドワード・スノーデン容疑者に対し、ロシアは先週、1年間、亡命許可を与えました。同元職員のロシア人弁護士アナトリー・クチェレナ氏はAFP通信の取材に対し、「スノーデン元職員はシェレメチェボ空港を出ました。ロシアで1年間有効の一時亡命許可証を受け取ったばかりだ」と語りました。同空港の広報担当者も、同元職員が同空港を午後2時過ぎに立ち去ったことを確認しました。

先週、イランのロウハニ新大統領は首都テヘランの議会で就任演説を行い、「イランは決して他国との戦争を望んでいない。他国との建設的な相互関係を築きたい」と述べて、核開発問題を巡る対立で悪化した国際社会との関係改善に意欲を示しました。これに対しアメリカのホワイトハウスは「ロウハニ大統領の就任は、イランが核開発問題を巡る国際社会の深刻な懸念を解消するために、速やかに行動する機会 だ。国際社会との合意を守り、平和的に解決しようとするのであれば、アメリカは、喜んで協力していく」とした声明を発表しました。

*先週、軍のクーデターで大統領を解任されたモルシ氏を支持するイスラム勢力はカイロ郊外でデモを継続しました。27日に治安部隊とデモ隊が衝突して70人以上が死亡したことに抗議しました。一方、エジプト内務省は27日、デモ隊に対して実弾を使用していないとの声明を発表しました。両者の主張は真っ向から対立しており、同胞団と暫定政権側との対話による事態の収拾は難しいのが実情です。軍が強制排除に乗り出せばさらに混乱が拡大する可能性もあります。


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