(VOVWORLD) -先週、北東アジア地域の外交分野は前向きな変化を見せてきました。これは朝鮮半島の核問題の解決に有利な条件を作り出すとされています。
先週、朝鮮民主主義人民共和国の金正恩(キム・ジョン・ウン)労働党委員長が25日~28日の日程で中国を非公式訪問しました。訪問にあたり、北京で習近平国家主席と会談しました。キム・ジョン・ウン氏が2011年末に朝鮮民主主義人民共和国の事実上の最高指導者になって以降、外国訪問は初めてです。中国国営新華社通信によりますと、26日に行われた首脳会談でキム・ジョン・ウン氏は、朝鮮半島問題について「金日成(キム・イル・ソン)主席と金正日(キム・ジョン・イル)総書記の遺訓に従い、半島の非核化実現に力を尽くすことは、我々の一貫して変わらない立場だ」と強調しました。
朝鮮民主主義人民共和国の金正恩党委員長が北京を訪問し、中国の習近平国家主席と会談したことを受けて、国連のグテーレス事務総長は声明を発表し、「朝鮮民主主義人民共和国が非核化に取り組むと表明したと報じられているが、これを歓迎する」とコメントしました。また、事務総長は声明で、今回の金党委員長の北京訪問について、「朝鮮半島の安定と非核化に繋がる、長期的な、真摯な対話プロセスの第一歩だ」と評価しました。
その訪問の後、朝鮮民主主義人民共和国と韓国は29日、10年以上ぶりとなる南北首脳会談を4月27日に行うことで合意しました。これによりますと、朝鮮民主主義人民共和国の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、軍事境界線にある板門店で会談するということです。
南北朝鮮の融和ムードの一環として、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長は1日夜、ピョンヤンで行われた韓国を代表する歌手のチョー・ヨンピルさんや、アイドルグループ「少女時代」のメンバーなどで構成される芸術団の公演を観覧しました。
間もなく行われる南北首脳会談に有利な条件を作り出すため、韓国で1日始まったアメリカと韓国の合同軍事演習の期間は例年の半分ほどに短くなる見通しがあります。アメリカと韓国双方が金正恩委員長との首脳会談を控える中、朝鮮民主主義人民共和国を刺激することを避ける配慮がありそうです。