(VOVWORLD) -今月14日、サウジアラビアの石油関連施設への攻撃をめぐっては、アメリカのトランプ政権がイランの関与を指摘し、中東に追加で軍を派遣することを決定するなど緊張が高まっています。
この攻撃により原油価格が高騰し、世界を震撼させました。今後も中東情勢は予断を許さないため、イランを巡る中東の対立構造を歴史を踏まえて分析しておくことは重要です。
アメリカとイランの緊張が高まる中、イランのロウハニ大統領は、首都テヘランで行われた軍事パレードで演説し、「軍の力とこの偉大な国家をもってすれば、敵はイランを侵害できない。誰であろうともわれわれの国境を侵すことは許さない」と述べ、軍事的な圧力を強化するアメリカをけん制しました。
また、「イランの敵は手法を変えて、“経済テロ”をしかけている」と述べ、アメリカがイランの中央銀行に対して追加の制裁を科すなど、経済制裁をさらに強めていることを非難しました。一方、周辺国に向けては、ペルシャ湾のホルムズ海峡の安全確保に向けて連携することをこのあと出席する国連総会の場で提案すると明らかにし、アメリカがイランへの包囲網を築こうとする中、関係を強化したい考えをにじませました。
こうした中、世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアの石油施設が攻撃された事件から21日で1週間となりました。同国政府の調査では無人機だけでなく、巡航ミサイルも組み合わせた大がかりな攻撃だったことが判明し、復旧作業が長期化する懸念もささやかれます。イランの関与を疑うアメリカは、サウジの防空力強化を支援するため米兵を増派すると発表しました。米中の貿易摩擦が高まること、そして、EU離脱を巡るイギリスの内政混迷が深まること、石油関連施設への攻撃を巡る中東の緊張が一段と高まっていると評されています。