(VOVWORLD) -
先週、南北朝鮮関係で積極的な兆しが見られたほか、イギリスのEU離脱に関する交渉の内容80%で合意が達成される一方、アメリカの貿易政策に関して、同国とイラン・トルコの矛盾がエスカレートしています。
10日にはトランプ大統領が、トルコからのアルミニウムと鉄鋼に対する関税を2倍、それぞれ20%と50%に引き上げることを承認しました。アメリカによる制裁に対抗して、トルコは22品目の米製品に対する関税を急激に引き上げ、これに関するトルコのエルドアン大統領による大統領令が15日に公表されました。
そして、トルコ政府はトランプ政権に対し、拘束されているアメリカ人牧師解放の見返りに、対イラン制裁違反でアメリカから数十億ドル規模の罰金を科される可能性があるトルコ大手銀への調査を取りやめるよう要請していましたが、アメリカ側はこれを拒否しました。ホワイトハウス高官は、牧師が解放されるまで他の問題についての交渉はしないとトルコ側に伝えたといいました。
アメリカ人牧師アンドルー・ブランソン氏が拘束されている問題を巡り、アメリカとトルコの外交関係はここ数十年で最悪になっています。また、トルコ通貨リラはここ数カ月、過去最安値を更新しています。トランプ政権が取引を拒否したことで、早ければ今週にもアメリカが追加の対トルコ制裁を科す可能性が出てきました。
こうした中、アメリカとイランの関係は依然として進展を見せていません。トランプ政権は今年5月に核合意から離脱しました。制裁再開の第1弾として、今月6日からイランとの自動車部品、貴金属などの取引を禁止しました。
イランのザリフ外相が欧米メディアのインタビューに応じ、トランプ氏とイランのロハニ大統領が会談する可能性については、核合意という「大きな進展」が破棄された状態では無理との考えを示しました。
また、アメリカの制裁が苦しめているのは「薬を買いたい人々、食料を買いたい人々」だと述べて、市民生活への影響を強調しました。
米中の貿易緊張が深刻化している中で、アメリカ政権がイランとトルコに制裁を強化することは、世界の財政市場に新たな影響を与えるでしょう。