緊張が高まる中東情勢

(VOVWORLD) - 中東での緊張と武力衝突が勃発する可能性が高まっていることに対し、国際社会は深い懸念を表明しています。

イラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官が3日にアメリカのイラクでの作戦により殺害された事件で、イランとアメリカは戦争の瀬戸際に立っています。したがって、中東情勢は悪化しています。

アメリカは3日までに、トランプ大統領の指示に基づき、イラクの首都バグダッドで、ソレイマニ司令官を標的にした攻撃を実施し、同氏を殺害しました。ソレイマニ司令官はイランの最高指導者ハメネイ師直轄の「革命防衛隊」の精鋭部隊を率い、国民から「英雄」と呼ばれるほど人気の高い実力者として知られています。

ソレイマニ氏の殺害を受けて、ハメネイ師は、「血で汚れた犯罪者には厳しい報復が待ち受けている」と述べ、報復措置に踏み切る構えを見せています。また、国の最重要政策を決めている最高安全保障委員会が召集され、この中で具体的な対応策について検討を行い、「アメリカの攻撃は最大の戦略的誤りだ。この犯罪行為のすべての責任を負うことになるだろう」とする声明を発表しました。

このうち、テヘラン中心部では数百人が集まり、大勢の人がソレイマニ氏の顔写真をかかげ、「アメリカに死を」と叫んでアメリカによる殺害を非難していました。特に、1月4日、イラン・コム市にあるジャムカラン・モスクにて、ジハードの赤旗が掲揚されました。ジャムカラン・モスクでの赤旗の掲揚は歴史上初めてで、イラン側の正式な作戦開始は、 殺害されたスレイマニ司令官の追悼が終わる週明けの可能性が高いと思われています。

こうした中、トランプ大統領は4日のツイッターで、革命防衛隊精鋭部隊の司令官殺害にイランが報復した場合、イランの重要施設を含む52カ所を短時間で攻撃し「大きな打撃を与える」と警告しました。

中東での緊張と武力衝突が勃発する可能性が高まっていることに対し、国際社会は深い懸念を表明しています。中国外務省はアメリカ側に対し、「武力を乱用してはならず、対話を通じて問題解決を探るよう」訴えています。

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