9日からの一週間の主な国際ニュース

アフガニスタンに駐留するアメリカ軍の兵士とみられる男たちが、反政府武装勢力タリバンのメンバーとみられる遺体に小便をかけている映像がインターネットに掲載された問題で、クリントン国務長官が先週、これを強く非難するなど、アメリカ政府は現地での反米感情がこれ以上悪化しないよう対応に追われています。この問題は、インターネットの動画投稿サイトに掲載された映像にアメリカ軍のような制服を着た4人の白人の男たちが、タリバンのメンバーとみられる3人の遺体に笑いながら小便をかけている様子が映っていたものです。アフガニスタンの大統領府は12日、声明を発表し、アメリカ政府に調査を求めました。これについて、アメリカのクリントン国務長官は12日「このひどい行為を強く非難します。

スタンダード・アンド・プアーズは先週、ユーロ圏17カ国のうち最高水準の「トリプルA」だったフランスを含む9カ国の長期国債格付けを一斉に引き下げたと発表しました。ユーロ圏の信用回復をけん引するフランスの格下げにより、EU欧州連合は債務危機対策の抜本的な見直しを迫られます。スタンダード・アンド・プアーズ は声明で、財政規律の強化に向けた新条約の制定などで一致した昨年12月のEU首脳会議について「信用不安の打開策としては量的にも領域的にも十分ではない」と指摘しました。

反政府デモが続くシリアで、アサド大統領がデモに関わった反政府勢力への恩赦を発表して投降を呼びかけましたが、政権側の武力による弾圧は依然続いており、国際社会の非難が一段と高まっています。シリアのアサド大統領は先週、国営テレビなどを通じて、反政府デモに関わる勢力や政権から離反した兵士たちに、今月31日までに投降すれば罪に問わないとする恩赦を発表しました。

ミャンマー政府がすべての政治犯を含むとみられる受刑者650人余りを一度に釈放したことを受けて、アメリカのクリントン国務長官はミャンマーの外相と電話で会談し、釈放を歓迎するよう求めました。ミャンマー政府は、13日、受刑者650人を対象にした大統領恩赦を受けて、受刑者を一度に釈放し、民主化運動のリーダー、アウン・サン・スー・チーさんが率いる国民民主連盟が釈放を求めてきた500人余りのすべての政治犯が含まれているとみられます。これを受けてアメリカのクリントン国務長官は14日、ミャンマーのワナ・マウン・ルイン外相と電話で会談し、政治犯の釈放を歓迎するとともに、アメリカが大使を派遣するための手続きを始める考えを直接伝えました。

イランは、アメリカの情報機関の工作員としてスパイ活動をしていた罪で、イラン系アメリカ人に死刑判決を言い渡し、核開発問題を巡って対立するアメリカをけん制するねらいがあるものとみられます。イラン情報省は、先月、イラン系アメリカ人の男が、隣国のアフガニスタンにあるアメリカ軍基地で情報収集の訓練を受けたあと、イラン国内でスパイ活動をしていた疑いで逮捕していました。この男について、首都テヘランの革命裁判所は、9日、CIAアメリカ中央情報局の工作員だったと断定したうえで、スパイ活動を行ったり、イランについて虚偽の情報を流すことを企てたりした罪で、死刑判決を言い渡しました。


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