*先週、ブルネイの首都バンダルスリブガワンで第46回アセアン外相会議が開かれ、一部加盟国と中国などが領有権を争う南シナ海問題をめぐる対応や、2015年中の創設を目指すアセアン共同体に向けた取り組みについて協議しました。ベトナム東部海域、いわゆる、南シナ海問題をめぐっては、今年4月のアセアン首脳会議で、紛争回避を目的とした法的拘束力のある「行動規範」の早期策定を目指すことを確認し、5月にはバンコクで、中国とASEANの局次長級作業部会を開催するなど新たな動きが出ています。ベトナム代表団はアセアンの団結、協力の強化、地域の平和、安全保障に対するアセアンの役割と責任、地域におけるベトナムの地位の向上に向けて、この会議に臨みました。今回の会議枠内にはアセアン各国と中国、日本、韓国の外相会議も行われました。
*韓国のパク・クネ大統領は先週、中国を訪れて習近平国家主席と首脳会談を行いました。会談では両国の首脳は朝鮮民主主義人民共和国の核問題が最大の焦点となる一方、共に関係が冷え込んでいる中韓両国の接近をアピールしました。とりわけ、朝鮮民主主義人民共和国が最近6か国協議の再開に前向きとも受け取れる姿勢を見せていることについて、両首脳がどのような考えを示すか注目されました。
*ブリュッセルで開かれていたEU欧州連合首脳会議は先週、若年失業者への対策や中小企業向け融資の円滑化などを盛り込んだ議長総括を採択して閉幕しました。 EUが一元的に銀行の破綻処理を主導する「銀行同盟」を巡ってはEU財務相理事会の合意を追認するにとどまり、統一破綻処理機関の創設など本格的な対応についての合意は年末まで先送りされました。
*アフリカ歴訪中のアメリカのオバマ大統領は先週、南アのケープタウン大学で演説し、アフリカのさらなる成長には電力整備が欠かせないと述べ、アメリカ政府が70億ドル(約7千億円)を出資すると表明しました。サハラ砂漠以南(サブサハラ)の各国首脳を集めた国際会議を、アメリカで来年初めて開くことも明らかにしました。オバマ氏は演説で、アフリカは発展し始めているにも関わらず、サブサハラでは人口の3分の2に電気が供給されていないと指摘、電力が供給される人口を2倍にすると約束しました。
*インドを訪問中のアメリカのケリー国務長官は先週、首都ニューデリーでクルシード外相らと4回目となるアメリカ・インド戦略対話を行い、混迷が続くアフガニスタン和平協議やサイバーセキュリティー部門などでの協力を強化することで一致しました。ケリー国務長官はその後の共同記者会見で、「ドビンズ特別代表がニューデリーを訪問し、インド政府に和平協議の現状を説明する」と明らかにしました。