(VOVWORLD) - 先週、ニュージーランド南部のクライストチャーチ中心部にある2か所のモスクで何者かが銃を乱射し、合わせて49人が死亡、およそ50人が病院に搬送されました。
この事件を巡って、世論に衝撃を与えたのはテロリストが銃を乱射した残忍な行為だけでなく、容疑者が使用した武器の数でした。 これは、世界各国に武器を制御すべきだと警鐘を鳴らしています。
現場では大量の武器が見つかったほか、犯行に使われた車からは手製の爆弾も見つかり、警察は周到に計画された犯行とみて捜査を進めていて、15日夜、クライストチャーチから南におよそ300キロ離れたダニーデンの街で、拘束している3人の関係先を捜索しました。
一方、事件の直前にはみずからをオーストラリア出身の28歳だとする男がツイッターに犯行声明とみられる文書を投稿していました。このなかで、男は乱射事件を2年前から計画していたとしたうえで、動機については白人社会が移民に侵略されているなどとつづり、クライストチャーチにはイスラム系移民が多いため、標的にしたとしています。
ニュージーランドの銃所有率はここ10年で、世界のトップクラスに入るほど上がっています。しかし、銃による殺人の割合は、世界平均を大きく下回っています。銃器所有者の多くが狩猟家と農家だからです。
3月15日、クライストチャーチで起こった銃乱射事件で、少なくとも49名の死者が出ました。これは2017年、ニュージーランドで起こった殺人総件数よりも1人多い数です。
ニュージーランドでは一般市民が所有する銃の総数は、合法・違法合わせて、2017年には150万丁に及んだとしています。サイズも大きめで、両手で射撃するライフル銃と散弾銃が、ニュージーランド国民には好まれています。つまり、狩猟か、あるいは農家が家畜を守るために使われる可能性が高いということです。
今回のクライストチャーチでの乱射事件を「テロリストによる襲撃」と見なしたジャシンダ・アーダーン首相は、2017年にラスベガスで起こった銃乱射事件をうけ、銃取締法に関する自身の見解を示唆していました。今回のクライストチャーチ乱射事件容疑者のひとりは、オーストラリアでは禁止されている半自動式・高性能型の銃器を使用した疑いがあります。
ニュージーランドでは、銃携行許可証は16歳から取得できます。住民は警察武器取締事務所、たいていは警察署に行き、本人が直接申し込まなければなりません。