(NHK) ウクライナ政府は、東部の親ロシア派地域との物流を遮断する決定を行い、親ロシア派は「虐殺だ」として強く反発していて、国内の分断が進むのではないかと懸念されています。
ウクライナのポロシェンコ大統領は15日、安全保障会議を開き、国連や赤十字などの人道支援物資を除いて、東部の親ロシア派が支配する地域との物流を遮断する決定を提案し、承認されました。
ラブロフ外相
(写真:THX/TTXVN)
これに先立って親ロシア派は、今月1日、支配地域にあるウクライナ企業の一部を事実上接収していて、ウクライナ政府は、「今回の決定は停戦合意が順守され、接収された企業が返還されるまでの一時的なものだ」として、あくまでも対抗措置だと強調しています。
これに対し親ロシア派の幹部は、「ウクライナ東部の孤立化を狙ったもので虐殺だ」として強く反発したほか、ロシア外務省も懸念を表明しました。
ウクライナ東部をめぐっては、ポロシェンコ政権と親ロシア派の間で政治的解決のめどが立たない中、先月、ロシアのプーチン大統領が、親ロシア派が住民に対し独自に発行している本人証明書や出生証明書などについて、ロシア国内でも有効だと認める大統領令に署名しています。
ウクライナ政府の今回の決定で、親ロシア派が政治的にも経済的にもロシアへの依存を強め、ウクライナ国内の分断が進むのではないかと懸念されています。