FARCの代表 (左)と コロンビア政府側の首席交渉官ウンベルト元副大統領=BBC
(NHK)南米コロンビアで先月、国民投票で否決された内戦の和平合意をめぐり修正協議に臨んでいた政府と反政府ゲリラ組織は12日、新たな合意に達したと発表しました。
コロンビアでは、政府と反政府ゲリラ組織「FARC=コロンビア革命軍」との間で半世紀以上も内戦が続き、市民を含む20万人以上が犠牲になりましたが、双方は4年近くにわたる交渉の末、ことし9月に和平合意をまとめました。
しかし、先月行われた和平合意の賛否を問う国民投票では、FARCの戦闘員への大幅な減刑などについて「譲歩しすぎだ」との受け止めが広がって和平合意は否決され、双方は、その直後から修正協議を行ってきました。
そして12日夜、サントス大統領がテレビ演説を行い、FARCと新たな合意に達したと発表しました。サントス大統領は前回の和平合意に反対した政党をはじめ、多くの団体から意見を聞いたうえで協議したと強調し、FARC側の申告に基づいて財産を没収し、内戦の犠牲者の遺族などへの補償に充てることなどを新たに盛り込んだと説明しました。
また、サントス大統領は「国の平和のため、新しい合意のもとに団結しよう」と述べて、国民に合意を受け入れるよう呼びかけました。
サントス大統領は半世紀以上にわたる内戦の終結に向けて尽力したとして、先月、ことしのノーベル平和賞に選ばれていて、年内までの新たな合意に意欲を示していました