(NHK)シリアのアサド政権と反政府勢力の和平協議に向けた調整を続けるロシアとトルコは、この協議にアメリカを招くことを決め、トランプ新政権とロシアの協力関係がどのように進むのか占うものとなりそうです。
シリアの内戦は、ロシアの支援を受けるアサド政権が先月、北部のアレッポを完全に制圧し圧倒的に優位に立ったあと、反政府勢力との間で停戦に入りました。これを仲介したロシアとトルコは、両者の和平協議を今月下旬に中央アジアのカザフスタンで開催する方向で調整を進めています。
この協議についてトルコのチャウシュオール外相は14日、アメリカを招待すると決めたことを明らかにしました。アメリカとロシアの関係は、シリア情勢などをめぐって悪化しましたが、今回の和平協議はロシアとの協力に前向きな姿勢のトランプ大統領の就任後に開催される予定で、両国の協力関係がどのように進むのか占うものとなりそうです。
また、トルコ政府も、敵視するクルド人勢力をオバマ政権が支援し関係がぎくしゃくしていることから、トランプ新政権との協力に期待を示しました。一方、この協議について、反政府勢力の主要なグループ「最高交渉委員会」は14日に声明を出し、国連が仲介する和平協議につながると位置づけ支持する考えを示しました。