(NHK)タイでは、国の安定の要となってきたプミポン国王の容体への懸念が広がるなか、入院先の病院では、大勢の市民が集まり、国王の回復を祈る動きが続いているほか、長男の皇太子ら王族も相次いで見舞いに訪れ、慌ただしい動きを見せています。
タイのプミポン国王は88歳と高齢で、ここ数年はほとんどの時間を病院で過ごしてきましたが、今月9日王室が「容体は不安定」だと発表しました。
タイの国民の間では国王の回復を祈る動きが広がっていて、入院先の病院には国王の健康と長寿を祈る色とされるピンクのシャツを着た市民などおよそ1000人が集まっています。また、海外に滞在していた国王の長男の皇太子も、12日帰国し、二日続けて13日も病院を訪れるなど、見舞いに訪れる王族が相次ぎ、慌ただしい動きを見せています。
一方、タイ政府の報道官によりますと、タイのプラユット暫定首相は、今週末に予定されていたインド訪問をキャンセルし、今晩緊急の閣議を開くということです。
プミポン国王は、たびたび政治の混乱が起きてきたタイで、国の安定の要となってきただけに、国王の容体への懸念は、国の先行きへの不安材料になっています。
プミポン国王の容体が不安定だと発表されてから、タイではピンク色の服を着て、国王の回復を祈る市民の姿が目立っています。タイでは2007年に体調を壊したプミポン国王が病院から退院した際、ピンク色のジャケットを着ていたことから、ピンクの色の服を着ることが大流行しました。