コロンビアのサントス大統領(写真:AFP)
(NHK)ことしのノーベル平和賞には、コロンビアで半世紀以上にわたって続き、20万人以上が犠牲となった、政府と反政府ゲリラ組織FARC=コロンビア革命軍との内戦の終結に向けて尽力したサントス大統領が選ばれ、10日、授賞式がノルウェーの首都オスロの市庁舎で行われました。
授賞式では、ノーベル委員会の副委員長からサントス大統領にメダルと賞状が手渡され、会場から大きな拍手がおくられました。
このあと、サントス大統領が演説を行い、当初の和平合意案が国民投票で否決された直後に、ノーベル平和賞に選ばれたことについて、「天からの贈り物だと思った。賞のおかげで、漂っていたわれわれの船は和平という港にたどり着くことができた」と述べて、和平合意の大きな後押しになったとして、感謝の意を示しました。
そのうえで、FARCとの和平について、「最も重要なステップだったのは、ゲリラを敵ととらえるのをやめ、尊厳をもって『対話』を行ったことだ。シリアなど世界各地で紛争が続いているが、コロンビアの和平合意は不可能と思えることも成し遂げられることを示した」と述べて、みずからの経験をもとに、世界の紛争解決に向けて対話の重要性を訴えました。