10日午前、ハノイで、ベトナム枯葉剤被害者協会は、8月10日の枯葉剤被害者の日55周年を記念する集会を行いました。集会にはチャン・ダイ・クアン国家主席が出席しました。
集会の風景
集会で、クアン主席は挨拶をし、その中で、「党と国家は常に、枯葉剤被害者を支援する政策をとっている」と述べ、年間国家予算から10兆ベトナムドン(日本円で450億円)を拠出して枯葉剤被害者への補助金やリハビリ、枯葉剤汚染地域の消毒などに充てていると明らかにしました。また、枯葉剤被害者への支援運動には社会全体が積極的に参加していると強調し、次のように語りました。
(テープ)
「関連各省庁と地方に対し、枯葉剤後遺症の克服事業を積極的に展開してほしいです。また、国内外の人々にベトナムの枯葉剤問題をさらに理解してもらうように宣伝啓蒙活動を強化する必要があります。そして、責任感を持って枯葉剤被害者に対する支援運動を具体的な活動でさらに広げると共に、枯葉剤被害者を対象としたリハビリ施設や職業訓練施設の建設・改装を進めるようにして頂きたいと思います。」
このように語ったクアン国家主席は、枯葉剤問題の解決は人間の健康にとっても環境にとって差し迫った課題で、社会全体の力を必要とすると強調しました。また、この問題解決は、ベトナムとアメリカの関係を促進させると共に、化学兵器のない世界作りにも寄与するであろうとの考えを示しました。
一方、ニューヨークの平和のための退役軍人協会のスサン・スチナル会長は次のように語りました。
(テープ)
「アメリカの企業・工場は枯葉剤を生産しました。アメリカ軍はベトナムの人々に爆弾を投下したり、枯葉剤を散布したりしました。ベトナム戦争に参戦した退役軍人として私は、アメリカ政府が枯葉剤をベトナムの国土と人々に使ったことを認め、その責任を負います。」
集会で、クアン国家主席は枯葉剤被害者協会に対し、枯葉剤被害者への支援事業で大きな成績を収めたことで第一等労働勲章を授与しました。
なお、1961年8月10日、アメリカ軍はベトナム南部で枯葉剤散布作戦を開始しました。