米政府はこの日、ロシアがウクライナ戦争を維持するための資金や物資の流れの遮断を目的とした新たな制裁措置を発表。中国などの第三国を含む３００を超える個人や団体を対象としました。

１２日はロシアの祝日でしたが、モスクワ取引所とロシア中央銀行は米政府の発表を受けて急きょ声明を発表しました。「米国がモスクワ取引所グループに対し制限措置を導入したため、米ドルとユーロ建ての受け渡し証券の取引と決済が停止された」と表明しました。

銀行、企業、投資家は、流動性、清算、監視の面で有利な中央取引所を通じた取引がドル建てでもユーロ建てでもできなくなります。そのため、今後は取引所を介さず２者間で直接取引する店頭取引（ＯＴＣ）が必要になります。中銀はＯＴＣのデータを使って公式為替レートを設定するとしました。

多くのロシア人は貯蓄の一部をドルやユーロで保有しています。中銀は、ドルとユーロの銀行預金は安全だと説明しました。企業や個人は引き続きロシアの銀行を通じてドルやユーロを売買できるとしました。

一方、ロシアの大手商品輸出業者はロイターに対し、「人民元を持っているので気にしない。ロシアでドルやユーロを手に入れるのは事実上不可能だ」と語りました。

元はモスクワ取引所で最も取引される通貨となり、５月に取引された全外貨の５３．６％を占めています。(ロイター)