嘉手納基地騒音訴訟 国に300億円余の賠償命じる


嘉手納基地騒音訴訟 国に300億円余の賠償命じる - ảnh 1
日本にある米軍基地=AFP/TTXVN

沖縄のアメリカ軍嘉手納基地の騒音をめぐり、周辺の住民およそ2万2000人が訴えた裁判で、那覇地方裁判所沖縄支部は「違法な騒音被害が漫然と放置されている」として、国に対し300億円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。一方で、アメリカ軍の軍用機の飛行差し止めを求めた訴えは認めませんでした。

沖縄のアメリカ軍嘉手納基地周辺の5つの市町村の住民およそ2万2000人は、アメリカ軍の軍用機の騒音により、十分な睡眠がとれず健康被害を受けているなどとして、国に対し、軍用機の飛行差し止めや賠償などを求める訴えを起こしました。
およそ6年にわたる裁判で、国は騒音による健康被害は具体的に立証されていないなどとして争っていました。

23日の判決で、那覇地方裁判所沖縄支部の藤倉徹也裁判長は、ほぼすべての原告の騒音被害を認めたうえで、「昭和40年代半ばには基地周辺の騒音による影響が社会的問題となっていたにもかかわらず、今日に至るまで抜本的な防止策がとられず、違法な騒音被害が漫然と放置されている」と指摘し、国に対し、合わせて301億円余りの賠償を命じました。

住民側の弁護団によりますと、基地の騒音をめぐる裁判で、国に賠償を命じた判決としては、神奈川県の厚木基地の騒音で、去年12月、最高裁判所が命じた82億円が最も多い額でしたが、23日の判決はこれを上回る賠償額になりました。

一方で、裁判所は「日米安保条約などによれば、国はアメリカ軍の軍用機の運航を規制できる立場にない」として、飛行差し止めの訴えは認めませんでした。(NHK)

ご感想

他の情報