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[ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州議会は17日、マルティン・シュルツ議長の後任に保守系議員のアントニオ・タヤーニ氏(イタリア)を選出しました。EU懐疑派の支持を集めました。
タヤーニ氏は元欧州委員で、ベルルスコーニ元伊首相とつながりがあります。欧州議長選では、EUに批判的な英国とポーランドの保守系与党の支持を得て当選しました。
これらの政党はEUについて、国家主権を侵害していると主張し、官僚的で無駄が多いとみています。こうした政党の支持を得るためタヤーニ氏は、EUが抱える課題の解決策は「欧州統合の強化にはない」と表明しています。伝統的にEU統合の防波堤の役割を果たしてきた欧州議会の議長としては異例の発言です。
タヤーニ氏は一方で、解決策はEUプロジェクトの崩壊にはないとも述べています。
英国のEU離脱には欧州議会の承認が必要となるほか、アメリカやロシアが欧州にとって新たなリスクとなる中、タヤーニ氏はEUにとって重要な時期に欧州議長に就任します。