(NHK)EU=ヨーロッパ連合は、各国の意見が対立していた難民問題について協議し、国際的な保護が必要な難民か、経済的な理由でヨーロッパを目指す移民かを審査するための施設の設置を検討していくことなどで合意しました。
(写真:AFP/TTXVN) |
EUは28日、ベルギーの首都、ブリュッセルにあるEU本部で首脳会議を開き、難民の受け入れ制度の見直しなどについて協議しました。
移民や難民に厳しい政策を掲げるイタリアのコンテ首相は、自国ばかりが負担を強いられているとして各国に応分の負担を強く求め、難民問題で進展がなければ、その他の議題について合意しないと強硬に主張し、協議は難航しました。
協議は。翌29日の早朝までおよそ9時間にわたって行われ、各国首脳は国際的な保護が必要な難民か、経済的な理由でヨーロッパを目指す移民かを審査する施設の設置を検討していくことで合意しました。この施設は、北アフリカなどに設置することを念頭においていると見られます。
また、これとは別に、EU加盟国の海域などで救助された人々についても、有志国が今後設置する施設で、難民か移民かを審査し、不法と判断した場合、送還することで合意しました。
協議では、一定の合意は得られた形で、ドイツのメルケル首相など各国首脳は会議後、その意義を強調しました。しかし、すでにEU域内に入ってきている移民や難民を各国がどのように受け入れるかについて具体的な打開策は見いだせず、火種は残されたままとなりました。